酸化還元不足当量法を用いる金属ヒ素中のアンチモンの同位体希釈分析
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概要
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アンチモン(III)はN-ベンゾイル-N-フェニルヒドロキシルアミン(BPHA)と反応して,クロロホルムに抽出可能なキレートを生成するが,アンチモン(V)は抽出されない.この反応を利用して,アンチモンの定量に対する方法として,酸化還元不足当量法を適用した同位体希釈分析法について検討した.不足当量反応として不足一定量のニクロム酸カリウムでアンチモン(III)の一定量をアンチモン(V)に酸化した後,過剰量のBPHAを用いて,未反応のアンチモン(III)を抽出して不足一定量分離を行った.これを0.36mgのアンチモン分析に応用したところ,定量誤差は5.6%であった.更に,本分析法を金属ヒ素(2.5mg)中のアンチモン分析に適用したところ,(0.98±0.06)μgを得た.このことから,本法により簡単かっ精度よいアンチモン分析が行えることが分かった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1979-04-05
著者
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神原 富尚
静岡大学理学部付属放射化学研究施設
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吉岡 濶江
静岡大学理学部付属放射化学研究施設
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鈴木 謹亮
静岡大学教育学部
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柴田 恭江
静岡大学教育学部
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神原 富尚
静岡大教育
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吉岡 濶江
静岡大学理学部
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