耐熱鋼中ニオブ,タングステン,チタンの同時吸光光度定量

概要

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ニオブ,タングステンおよびチタンが2元素以上同時に含まれている耐熱鋼や耐熱合金について,これらの元素を迅速に分析するため,ハイドロキノンを用いる同時吸光光度法を検討した.この方法でニオブとタングステンを波長400mμと50Omμの吸光度を求めて同時定量したとき,変動係数はニオブが3.0%,タングステンが2.1%になり,同じ波長を用いてニオブとチタンを同時定量したときの変動係数はニオブが2.7%,チタンが1.1%程度になった.<BR>タングステンとチタンの同時定量はどの2ヵ所の波長を組み合わせても満足な定量結果がえにくく,低い硫酸濃度でチタンのみを発色して定量したのち,補正する方法を用いてタングステンを定量した.この場合の変動係数はチタンが2.3%,タングステンが3.3%程度であった.3元素が共存するときも,チタンのみ別に定量してこれから吸光度を補正し,タングステン,ニオブを同時定量した.この場合の変動係数はチタンが1.6%,ニオブが2.7%,タングステンが4.0%程度であった.標準鋼について分析し,迅速法として満足な結果が得られた.
社団法人日本分析化学会の論文