X線回折計によるスラグの組成分析
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概要
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X線回折計によってスラグの組成分析を行なうための基礎的研究として,純物質を用いて溶鉱炉スラグの主成分であるメリライトの生成条件を調べたが,純粋のメリライトはつくることはできず,常に少量のメルビナイトが共在した.臭素のメタノール溶液あるいはクエン酸で処理してメルビナイトを除去し,メリライトを分離し標準物質とすることができた.またこの処理によって,メルビナイトの回折線のために検出困難であったケイ酸二カルシウムの検出が容易となった.<BR>銅スラグは高炉スラグに比較して組成が複雑で,鉱物組成を明らかにすることが困難であったが,臭素のメタノール溶液で処理した残分,およびクエン酸で処理した残分をX線回折計で調べて,主成分が2FeOSiO<SUB>2</SUB>, CaO・Fe<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>であることおよび少量のα-ZnS, β-ZnS,ZnOFe<SUB>2</SUB>0<SUB>3</SUB>, FeO・Fe<SUB>2</SUB>0<SUB>3</SUB>の形の化合物が存在することが明らかとなった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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