金属チタン中の全イオウの定量法およびチタンによるイオウ化合物の分解
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概要
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(I)金属チタン試料を塩酸で分解し,分解ガスの捕集液(アンモニア性塩化カドミウム溶液)の沈殿とロ液および試料溶液中のイオウを別々に定量し,それらの和から全イオウを求める方法を確立した.<BR>本法の添加実験の回収率は約100%,分析の精度は変動係数で約10%(S 0.003%水準),下限は0.001%である.<BR>(II)前項の研究過程で,チタンの塩酸溶解の際に共存の亜硫酸塩がH<SUB>2</SUB>Sに,硫酸塩がH<SUB>2</SUB>SとSO<SUB>2</SUB>にそれぞれ還元される現象をみとめたので,各種のイオウ化合物の還元に寄与するチタンの状態や還元に関与する主なる因子の水準などにつき検討し,上記の現象を明確にした.なお,このイオウ化合物の還元現象は金属チタンの特性であり,他の金属ではほとんどおこらないこと,およびチタンを濃硫酸と加熱するとSO<SUB>2</SUB>,希硫酸と加熱するとH<SUB>2</SUB>Sを生成することをそれぞれ知見した.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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