高安動脈炎の遺伝要因に関する研究 : (III)高安動脈炎患者の補体アロタイプについて
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概要
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高安動脈炎の成因,病態に関し遺伝要因の関与が注目されている. HLA検索より本症患者にはHLA A24-Bw52-Dw12の出現頻度の高いことが確かめられたので(Angiology 33:98, 1982), 80名の患者につきClass IIIに属する補体蛋白多型を調査した.その結果,本症患者ではC4A2(x2=27.2, rr=3.8, p<0.01) C4BQ0(8.7, 2.1, p<0.01)の出現頻度が有意に高い結果が得られた.しかもBw52(+)の患者37名中35名はC4A2-4BQ0のhaplotypeを有していた.すなわち本症患者ではA24-Bw52-C4A2-C4BQ0-Dw12のcomplotypeと連鎖不平衡にある遺伝要因の関与が考えられる.さらにC4BQ0(null type)につきDNAの存在をしらべたところ欠除している例はなくgene conversionの可能性が示唆された.
著者
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笹月 健彦
九州大学生医研遺伝
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鈴木 広一
大阪医科大学法医学教室
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木村 彰方
九州大学生体防御医学研究所遺伝学部門
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根岸 駿夫
東京医科歯科大学医学部産科婦人科学教室
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松本 秀雄
大阪医科大学法医学教室
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松本 秀雄
大阪医科大学法医学
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沼野 藤夫
東京医科歯科大学 第三内科
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下門 顕太郎
東京医科歯科大・血流制御内科
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下門 顕太郎
東京医科歯科大学医学部第三内科学教室
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占部 和敬
九州大学生体防御医学研究所遺伝学部門
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根岸 駿夫
東京医科歯科大学医学部第三内科学教室
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笹月 健彦
九州大学生体防御医学研究所遺伝学部門
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笹月 健彦
九州大学生体防御医学研究所
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