急性閉塞性化膿性胆管炎の臨床的検討
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概要
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4例の急性化膿性胆管炎と3例の急性閉塞性化膿性胆管炎について,臨床および検査所見などについて検討した. Charcotの三微(上腹部痛,黄疸,悪寒戦慄を伴う発熱)は全例に認めたが,さらに意識障害やショック症状の加わつたReyno1dsの五徴は3例にのみ認めた.入院時検査では,白血球数は7例中2例は正常値を示した.ビリルビンは全例が異常値を示したが, 9mg/dl以上の値を示したものは1例のみであつた.これらの原因疾患としては, 7例中2例では乳頭筋閉鎖不全,胆嚢および三管合流部での結石を各1例, 3例では総胆管結石が乳頭部で嵌頓していた.すなわち7例中4例では明らかな閉塞が胆道に認められず,これらは保存的療法で軽快した.一方,総胆管結石が乳頭部で嵌頓していた3例中PTCドレナージが施行された2例では治癒したが,施行されなかつた1例は死亡した.以上のごとく,急性閉塞性化膿性胆管炎では,閉塞の解除または胆道の減圧がなされないかぎり,患者を救命することはできない.したがつて,胆道の閉塞の有無を知ることが予後の推測,治療面でも重要である.さらに急性化膿性胆管炎と急性閉塞性化膿性胆管炎は区別されるべきものであると思われる.急性閉塞性化膿性胆管炎に特有的な臨床および一般検査所見はないが,悪心,嘔吐,疼痛発作の頻発するものや悪寒戦慄を伴う発熱のある黄疸患者では,早期にPTCを施行し治療方針を決定すべきである.
著者
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徳久 芳樹
東邦大学医学部心療内科
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安部井 徹
東邦大学医学部
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水入 紘造
東邦大学医学部第2内科
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坂本 真理子
東邦大学医学部第2小児科
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井上 浄
東邦大学医学部第二内科
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坂本 真理子
東邦大学医学部第二内科
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遠山 正博
東邦大学医学部第二内科
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若松 貞男
東邦大学医学部第二内科
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中川 和彦
東邦大学医学部第二内科
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安部井 徹
東邦大学医学部第二内科
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水入 紘造
東邦大学医学部第二内科
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徳久 芳樹
東邦大学医学部第二内科
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遠山 正博
東邦大学医学部第2内科
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