膵シンチグラムの診断的意義-診断能の検討と膵外分泌機能および膵管像との対比-

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75Se-selenomethionineによる膵シンチグラムの診断能を検討し,膵シンチ像とpancreozyminsecretin試験による膵外分泌機能および内視鏡的逆行性膵・胆管造影法による膵管像を対比した.膵癌40例の95.0%に異常シンチ像が得られ,体尾部癌や,膵管像が狭窄型の頭部癌では部分欠損型のシンチ像が,膵管像が閉塞型の頭部癌では膵管閉塞の病態を反映して部分欠損型以外の異常シンチ像がみられる傾向があつた.慢性膵炎確診17例の88.2%に異常シンチ像が得られたが,スキャンパターンで膵癌と鑑別することは困難であつた.正常シンチ像を示した46例の89.1%はpancreozymin-secretin試験正常であり, pancreozymin-secretin試験異常を示した41例の87.8%に異常シンチ像が得られ,膵シンチ像とpancreozymin-secreting試験による膵外分泌機能とはP<0.01で相関した.さらに膵シンチ像と最高重炭酸塩濃度とはP<0.005でより相関した.正常膵管像を示した37例の62.2%に正常シンチ像が得られ,異常シンチ像を示した71例の80.4%に異常膵管像がみられ,膵シンチ像と膵管像とはP<0.005で相関した.しかし,膵疾患以外でも異常シンチ像を示すことがあるので,正常シンチ像の場合は90%の確率で膵癌や慢性膵炎を否定できるが,異常シンチ像の場合は膵疾患の信頼できる指標にはならない.
社団法人日本内科学会の論文

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