障害肝の脂質変動と線維化との関連ならびにorotic acidとpurine関連物質の併用効果について
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概要
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著者は黄変米カビ障害の初期にみる肝内脂質の変動と障害後半にみる線維化過程とを生化学的な面を中心として経時的に観察することにより,肝障害時の脂質代謝異常と結合織代謝との反応相の一端の追求を試みた. 肝障害初期,まずglycogenの減少とともに肝内脂質の増量を来たし, さらに障害が進行するとphospholipidの減少を契機として全脂質分画は一斉に減少し,同時にhexosamineが漸次増量,その後hydroxyprolineはこれはり遅れて増加する.組織学的にも同様の傾向をみた.また本障害時にpyrimidine nucleotideのprecursorであるorotic acidとpurine bodyである4-amino-5-imidazole carboxamide, inosine-5-phosphateの併用は, orotic acidの脂肝作用,線維化作用に抑制的効果をしめすことを認めた. このことは, nucleotide間のimbalanceを是正することによるものとも考えられる.以上の成績より,肝障害時の脂質変動と線維化過程との関連について考案した.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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