石炭チャーの接触ガス化プロセスの開発 : -バリウム化合物の触媒効果と作用機構-
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概要
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石炭チャーの低温ガス化プロセスの開発を目的として, スチームおよび二酸化炭素によるガス化の速度と出口ガス組成に対して, 含浸添加させたアルカリ土類金属 (Mg, Ca, Sr, Ba) およびBa, Feの2成分の化合物が及ぼす触媒効果を, 多孔質純炭素と比較・検討した.実験は常圧下, 600〜900℃で熱天秤を用いて行った.その結果, 次のような結論・知見を得た.<BR>1) ガス化率 (<I>f</I>) 対ガス化時間 (θ) の速度曲線データに精度よく適合しうる<I>a</I>, <I>b</I>を定数とする式, <I>f</I>=1-exp (-<I>a</I>θ<I><SUP>b</SUP></I>) を提出した.すなわち, <I>b</I>>1でシグモイド型曲線, また1≧<I>b</I>>0で通常の非シグモイド型曲線を示す.<BR>2) 純炭素の水性ガス化反応に対する触媒効果は, <I>f</I>=0.5における速度定数で評価でき, Ba (17) >Sr (10) >Ca (1.6) 〓Mg (1.2) 〓無添加の純炭素 (1.0) の序列であった.また, 水性ガス化の活性化エネルギーは, 純炭素の場合51kcal/molであるのに対し, Baの添加により37kcal/molに低下した.<BR>3) 純炭素の水性ガス化による検討によれば, Ba化合物の作用は, ガス化と, 生成一酸化炭素の転化反応を触媒として促進させるもので, いずれもBa (OH) <SUB>2</SUB>とBaCO<SUB>3</SUB>間の反応サイクルに基づくものである.したがって, Baの添加は水素に富む合成ガスの製造に有効である.<BR>4) 3種の石炭チャーにBaを添加した場合も, 水性ガス化速度は, 900℃で2〜7倍の増大が認められ, 生成ガス量はH<SUB>2</SUB>>CO<SUB>2</SUB>>COの序列であった.BaとFeの2成分を添加した場合には, 純炭素でもチャーでも, Baの触媒効果が優勢であった.<BR>5) BaやFeを添加した純炭素は, 硫化水素による硫化処理後も, かなりの触媒効果を示し, Baの添加によってガス化と脱硫の複合機能効果を期待できる.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
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笠岡 成光
岡山大学地域共同研究センター
-
阪田 祐作
岡山大学工学部 物質応用化学科
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笠岡 成光
岡山大学工学部 精密応用化学科
-
栢野 茂
岡山大学工学部合成化学科
-
笠岡 成光
岡山大学工学部合成化学科
-
笠岡 成光
岡山大学工学部
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