白金系の担持触媒上のメタノールの分解の反応特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
CH<SUB>3</SUB>OHの分解 (CH<SUB>3</SUB>OH=CO+2H<SUB>2</SUB>) およびCH<SUB>3</SUB>OHの関与する反応系の実用触媒プロセスの資とするために, 主としてPt (一部, Rh, Pd, Ru) 担持触媒 [担体 : Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB> (γ, α), CaO, CeO<SUB>2</SUB>, Cr<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>, La<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>, MgO, Nb<SUB>2</SUB>O<SUB>5</SUB>, SiO<SUB>2</SUB>, TiO<SUB>2</SUB> (アナタース), Y<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>, ZnOおよびZrO<SUB>2</SUB>] を調製し, CH<SUB>3</SUB>OH分解の反応操作条件, 担体種と触媒活性・選択性等の反応特性の関係を, 吸着させた定速昇温脱離法による表面酸性のキャラクタリゼーション等と併せて検討した.<BR>実験は, 常圧流通式充填層反応器を用い, 主として300℃および350℃で行った.入口ガスは, 主として10%CH<SUB>3</SUB>OH-N<SUB>2</SUB>, 総流量は, 平均径1.0mmの触媒1.0m<I>l</I>に対し, 250cm<SUP>3</SUP>N/min (滞留時間 : 0.24s) である.<BR>得られたおもな結果は, (1) CH<SUB>3</SUB>OHの見かけの分解活性は, 担体種によって大きく異なり, 主生成物のCO, H<SUB>2</SUB>のほかに, 多かれ少かれCH<SUB>3</SUB>OCH<SUB>3</SUB>, CH4, CO<SUB>2</SUB>およびH<SUB>2</SUB>Oが副生する. (2) CH<SUB>3</SUB>OCH<SUB>3</SUB>, CH<SUB>4</SUB>およびCO<SUB>2</SUB>の副生量は, 酸性系担体の場合に多い. (3) CH<SUB>3</SUB>OCH<SUB>3</SUB>はCH<SUB>3</SUB>OHの2分子間脱水反応 (2CH<SUB>3</SUB>OH=CH<SUB>3</SUB>OCH<SUB>3</SUB>+HaO) によって, CH<SUB>4</SUB>の副生は, COとH<SUB>2</SUB>の反応 (CO+3H<SUB>2</SUB>=CH<SUB>4</SUB>+H<SUB>2</SUB>O) にもよるが, 主としてCH<SUB>3</SUB>OCH<SUB>3</SUB>の分解反応 (CH<SUB>3</SUB>OCH<SUB>3</SUB>=CH<SUB>4</SUB>+CO+H<SUB>2</SUB>) によって, また, CO<SUB>2</SUB>の副生はCH<SUB>3</SUB>OHの2分子間脱水反応およびCOのメタン化で生成したH<SUB>2</SUB>OとCOの反応 (CO+H<SUB>2</SUB>O=CO<SUB>2</SUB>+H<SUB>2</SUB>) によって起こる. (4) CH<SUB>3</SUB>OHのCOとH<SUB>2</SUB>への高活性・高選択性の両面からは担体としてMgOが優れている。
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
-
笹岡 英司
岡山大
-
笠岡 成光
岡山大学地域共同研究センター
-
笠岡 成光
岡山大学工学部 精密応用化学科
-
笹岡 英司
岡山大学工学部 精密応用化学科
-
賀 徳華
岡山大学工学部 精密応用化学科
-
笹岡 英司
岡山大学工学部 合成化学科
-
笠岡 成光
岡山大学工学部
関連論文
- 2-15 Fe-Mo系触媒を用いたFischer-Tropsch合成((4)天然ガス転換技術2,Session 2 天然ガス・メタンハイドレート等)
- 13.石炭ガス化ガス中の水銀除去剤としての酸化鉄の挙動
- 30 TPD-Massによる水銀化合物と除去剤上の水銀種の分解特性(水銀挙動・定量)
- 3-18 触媒として酸化カルシウムを担持した桧チャーの炭酸ガスガス化((5)ガス化5,Session 3 バイオマス等,研究発表(口頭発表))
- 3-5 バイオマスの低温ガス化で発生するタールの非ニッケル系触媒による分解((2)ガス化2,Session 3 バイオマス等,研究発表(口頭発表))
- 3-4 木質系チャーのCO_2ガスガス化におけるH_2生成特性についての検討((1)ガス化1,Session 3 バイオマス等,研究発表(口頭発表))
- 40 石炭燃焼排ガス中の水銀を対象とした硫化鉄系水銀除去剤の開発(灰・微量金属(1))
- 39 石炭ガス化ガス中の水銀除去剤としての活性炭の特性(灰・微量金属(1))
- 22.活性炭と硫化水素を用いた石炭燃焼排ガス中の水銀除去に及ぼす塩化水素の影響
- 21.石炭ガス化ガス中の鉄系収着剤を用いた水銀の除去
- 7-10.活性炭による石炭燃焼排ガス中の金属水銀除去に及ぼす塩化水素共存の影響((3)排出抑制・吸着材,Session 7 環境対策・リサイクル)
- 晶析脱リンのための活性炭リン除去剤の開発 (特集 注目される先端研究開発の展望)
- 7-15.重油燃焼飛灰と石炭燃焼飛灰とピッチからの活性炭の調製((4)廃棄物リサイクル,Session 7 環境対策・リサイクル)
- 44.H_2Sを用いる金属水銀の除去に対する活性炭と酸化鉄の活性
- 67.硫化水素と固体収着剤による無機水銀蒸気の除去
- 62.純CaSの水蒸気共存下における酸化分解特性の解明
- 80.高温脱H_2Sにより生じた硫化カルシウムの酸化分解
- 104.石炭焚きボイラー用アンモニア脱硝触媒の開発
- 102.CaO高温脱硫剤の硫酸塩化に伴う細孔構造変化とN_2O分解活性の変化
- 76.酢酸水溶液を用いる高活性CaO系脱硫剤の湿式調整法の開発(石炭利用における科学と工学の融合)
- 75.ZnO-TiO_2系高温脱硫剤の再生におけるTiO_2の役割(石炭利用における科学と工学の融合)
- アルミナ担持硫酸ニッケル触媒による低温脱硝反応
- 72.再生容易なZnO系高温脱硫剤の開発(石炭利用における科学と工学の融合)
- 71.N_2O分解に対するCaOの細孔構造の影響(石炭利用における科学と工学の融合)
- 銅の含浸担持および共沈触媒上のメタノ-ルのスチ-ムリフォ-ミングの反応特性
- ゴミ焼却炉排ガス中の酸性ガス吸収剤の開発 ( 最近の開発技術と実用化)
- 69.次世代アンモニア脱硝触媒の開発(石炭利用における科学と工学の融合)
- アルカリ沈殿法とオゾン酸化沈殿法によるオゾン分解用酸化マンガン触媒の調製
- 7-1 石炭フライアッシュとアスファルトからの活性炭の調製((7)リサイクル,Session 7 環境対策・リサイクル)
- 3-15 木質系バイオマスのガス化で生じるタールの分解触媒の開発((4)ガス化4,Session 3 バイオマス等)
- 3-7.木質系バイオマスのガス化で発生するタールの酸化鉄触媒による分解((4)水熱等I,Session 3 バイオマス等)
- 各種金属酸化物-TiO2担持触媒におけるNO,NO2およびNO-NO2等モル共存系のNH3による還元速度
- アンモニアによる還元脱硝用の硫酸鉄(3)系触媒に対する担体と添加物の効果--Fe2(SO4)3-α-Fe2O3-TiO2-MoO3(WO3)共沈触媒の選定
- 石炭チャ-ガス化に対する触媒とその耐硫黄性
- 各種石炭チャ-の二酸化炭素によるガス化の活性評価ならびにスチ-ムによるガス化との比較
- 多孔質炭素によるSO2酸化収着脱硫プロセスにおける共存NOとH2Oの炭素ガス化促進現象
- 石炭ガス化後のガス中の硫化水素吸収剤の開発--鉄鉱石の脱硫反応特性
- 低温乾式同時脱硫・脱硝触媒プロセスの開発
- ルテニウム担持触媒上の1酸化炭素および2酸化炭素のメタン化の反応特性--主として残留塩素の影響と脱塩素処理の効果
- 白金系の担持触媒上のメタノ-ルの分解の反応特性
- 硫化水素共存系の1酸化炭素シフト反応用触媒の開発 (研究開発と工業化)
- メタノ-ルからメタンの直接合成用触媒の開発 (化工手法による合成技術)
- Ni,RuおよびRh担持触媒上のメタンのスチ-ムリフォ-ミングの反応特性
- 石炭系ガス中のチオフェンの水素化分解用触媒の開発 (化工技術の開発と進展)
- 低温乾式同時脱硫・脱硝触媒の開発--Cr2O3-TiO2共沈酸化物
- 低温同時脱硫・脱硝用Cr2O3-TiO2触媒の活性酸素の定速昇温脱離・分解法によるキャラクタリゼ-ション
- 低温同時脱硫・Cr2O3-TiO2触媒の活性酸素の反応特性
- Ru担持触媒のCOxのメタン化活性におよぼす触媒上の残留塩素の影響 (第64回触媒討論会特集号(予稿))
- 石炭ガス化研究のフィロソフィ- (化学工学の新潮流)
- 金属酸化物酸素の定速昇温分解と脱離 (第61回触媒討論会特集号〔予稿〕)
- 低温脱硫型脱硝触媒Cr2O3-TiO2上の表面酸素の反応特性 (第60回触媒討論会特集号〔予稿〕)
- フェノ-ル樹脂繊維からの分子ふるい繊維状活性炭の製品開発 (研究開発とニュ-テック)
- 廃ポリエチレンの燃料油化触媒・プロセスの開発 (研究開発とニュ-テック)
- 乾式同時脱硫・脱硝用CuO-SiO2-TiO2共沈酸化物
- 乾式脱硫剤型脱硝触媒の開発--CuO-Cr2O3-TiO2系共沈殿酸化物
- フェノ-ル樹脂繊維を原料とする繊維状活性炭の製造と分子ふるい特性
- 多孔質炭素によるSO2酸化収着脱硫プロセスにおける共存NOとH2Oの炭素ガス化促進現象
- 石炭ガス化後のガス中の硫化水素吸収剤の開発 : 鉄鉱石の脱硫反応特性
- 低温乾式同時脱硫・脱硝触媒プロセスの開発
- 白金系の担持触媒上のメタノールの分解の反応特性
- 銅の含浸担持および共沈触媒上のメタノールのスチームリフォーミングの反応特性
- ルテニウム担持触媒上の一酸化炭素および二酸化炭素のメタン化の反応特性 : 主として残留塩素の影響と脱塩素処理の効果
- Ni, RuおよびRh担持触媒上のメタンのスチームリフォーミングの反応特性
- 乾式高温・低温同時脱硫・脱硝複合機能触媒とそのプロセス
- 高温脱硫剤型脱窒触媒の開発
- 分子ふるい炭素の設計--液相における形態・寸法の異なる各種染料の吸着
- 均一細孔径シリカゲルの均一ミクロ細孔質炭素による修飾
- 高機能結晶性多孔質固体の合成とアルコ-ル類の炭化水素類への触媒変換反応
- ヘマタイト鉄鉱石および酸化鉄のメタンによる還元
- 鉄鉱石のメタン,メタノ-ルおよびメタン-水蒸気混合ガスによる直接還元並びに添加触媒の効果
- 各種金属酸化物の塩化水素による塩化物への反応とその逆反応
- ゴミ焼却炉排ガス中の酸性ガス吸収剤の開発
- 繊維状および粒状活性炭による水溶液中のポリエチレングリコ-ル類の分子ふるい吸着
- 乾式同時脱硫・脱硝用複合金属酸化物の開発 (新しい開発技術の展開)
- アンモニアによる還元脱硝におけるV2O5/TiO2触媒の活性におよぼすアルカリ土類金属塩付着の影響
- アンモニアによる還元脱硝用V2O5/TiO2触媒のアルカリ塩付着による劣化機構の解明およびその再生法
- 石炭チャ-の酸素,水蒸気および酸素-水蒸気混合ガスとの反応における窒素化合物の挙動
- 石炭チャ-のスチ-ムおよびスチ-ム-酸素混合ガスによるガス化--チャ-の表面積と共存メタンの影響
- SOX・NOXの乾式同時除去プロセスの開発 (研究開発の展望-2-)
- Pt-TiO2触媒によるNH3と悪臭硫黄化合物の同時酸化除去(研究・技術ハイライト)
- 石炭の低NOx化燃焼に対する基礎的検討--生成NO,HCNおよびNH3の反応挙動におよぼす石炭灰の触媒作用
- 硫黄酸化物・窒素酸化物の乾式同時除去--同時除去剤としてのCuO-Al2O3-TiO2系共沈複合酸化物の選定
- 定速昇温反応法によるNi-α-Al2O3系触媒上の一酸化炭素および二酸化炭素のメタン化反応の検討
- 水蒸気共存下における銅イオン交換Y型ゼオライトによる低濃度アンモニアの吸着と硫化水素共存の影響
- 水素共存下におけるアンモニアによる一酸化窒素の無触媒還元および酸素によるアンモニアの無触媒酸化
- 硫黄化合物の接触酸化による脱臭--主として硫化ジメチルについて
- 触媒還元脱硝と無触媒還元脱硝--無触媒還元脱硝の部-3-
- 触媒還元脱硝と無触媒還元脱硝-2-
- 石炭チャーの接触ガス化プロセスの開発 : -バリウム化合物の触媒効果と作用機構-
- 各種石炭チャーのスチームならびに酸素によるガス化の速度式と反応活性の評価法
- 硫黄酸化物・窒素酸化物の乾式同時除去プロセスの開発
- 金属イオン交換Y型ゼオライトによる硫化ジメチルの吸着
- NH3-CO-H2-CH4-O2-H2O-N2系におけるNH3,COおよびH2の無触媒酸化反応におよぼすCH4の影響-低NOx化燃焼に対する検討
- NH3による無触媒還元脱硝反応におよぼす添加COおよびH2の影響
- NO-NH3-CO-H2-O2-H2O-N2系におけるNOの無触媒還元--低NOx化燃焼に対する考察
- NH3-CO-H2-O2-H2O-N2系におけるNH3の無触媒酸化--低NOx化燃焼に対する考察
- 窒素酸化物のアンモニア還元に対するV2O5-TiO2系触媒
- 硫酸銅および硫酸鉄系触媒上の酸化窒素のアンモニアによる還元
- 70.新規高活性ポーラスCaO系脱硫剤の開発(石炭利用における科学と工学の融合)
- 96.水蒸気膨潤法による多孔質CaO高温脱硫剤の開発