肉腫様肝細胞癌の2例 : 特に画像診断について
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概要
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肉腫様肝細胞癌の2例について画像検査所見を中心に報告した.超音波像では境界は比較的明瞭で内部構造はモザイクパターンと嚢胞状の低エコーパターンの混在を示し,halo, lateral shadowは認められなかった.CT所見では腫瘤内部にかなりの大きさを占める嚢胞状の低吸収域があり,低吸収域内には隔壁形成もみられ,腫瘤壁より内部へ乳頭状に突出する充実性の部分が描出された.血管造影では腫瘤壁の部分はややhypervascularityの所見を呈したが,全体的にはhypovascularityからavascularityであり,門脈内腫瘍塞栓は存在しなかった.これらの画像所見は肝嚢胞腺癌および肝嚢胞腺腫と類似し,通常の肝細胞癌の所見とは異なっていた.肝の嚢胞性病変を主体とする大きな腫瘤像を認めた場合には肉腫様肝細胞癌も考慮する必要があると考えられる.
著者
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三浦 邦彦
山陰労災病院 内科
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岸本 幸広
山陰労災病院内科
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川崎 寛中
鳥取大学第2内科
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古城 治彦
山陰労災病院内科
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謝花 典子
山陰労災病院内科
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中岡 明久
山陰労災病院内科
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野坂 康雄
山陰労災病院内科
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