肝疾患におけるe抗原およびe抗体の臨床的研究
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概要
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86名のHBs抗原陽性肝疾患患者につきe抗原,e抗体の検索を行なった.e抗原の陽性率は急性肝炎8例中2例(25%),慢性肝炎活動型26例中12例(46%),肝硬変37例中6例(16%)であり,慢性肝炎非活動型3例およびヘパトーマ12例においてはe抗原は検出できなかった.慢性肝炎患者においてe抗原陽性例はe抗原陰性例に比較してGOT,TTT,γ-グロブリンが高値を示し,肝臓の生検組織所見でもより高度の障害像が観察された.また,e抗原陽性者ではHBs抗原価が高く,RPHA法で64倍以上であり,その大部分は512倍以上の高抗原価を示していた.一方,今回検討した肝疾患患者群においてはe抗原と年齢との間には特定の関係を認めえなかった.さらに,e抗原が一過性に陽性となった急性肝炎の1症例を提示し,e抗原の出現が必ずしも肝炎の慢性化を示すものではないことを述べた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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古賀 俊逸
九州大学第3内科
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井林 博
九州大学第3内科
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中村 正憲
九州大学医学部中央検査部
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大河内 一雄
九州大学医学部中央検査部
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入佐 俊武
九州大学第3内科教室
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井林 博
九州大学第3内科教室
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古賀 俊逸
九州大学第3内科教室
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