Methoxsalen (8-methoxypsoralen)服用に起因する薬剤性肝障害の一症例
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概要
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尋常性白斑の治療薬として服用したMethoxsalen (8-methoxypsoralen)に起因すると思われる,黄疸を伴った薬剤性肝障害の一症例を報告した.本薬剤がその副作用として肝障害を惹起することは少なく,黄疸の出現例は一症例が報告されているのみである.<BR>症例は26歳の主婦で,Methoxsalenを6ヵ月間,総量約1,200mg服用の後に黄疸が出現した.肝機能検査はGOT (610)・GPT (370)の上昇,alk. Paseの高値,ICGの遅延,γ-globulinの増加を,末梢血は好酸球増多(8%)を示した.6年前にも本薬剤の服用後に黄疸が出現したことより,実質上のchallenge test陽性と考えられた.腹腔鏡直視下生検で得た肝組織は,肝細胞の小葉中心性壊死の所見を示した.<BR>肝障害の発生機序についてはdelayed hypersensitivity responseによるものと考えられ,Methoxsalenは組織学的に肝細胞の小葉中心性壊死像を主体とする,アレルギー性肝障害を惹起しうる薬剤と考えられる.<BR>薬剤中止後,肝機能はすみやかに正常に復し,経過は良好である.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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関 孝
兵庫県立西宮病院内科
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関 孝一
兵庫県立西宮病院 内科
-
関 孝一
大阪大学第二内科
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進士 義剛
大阪大学第二内科
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垣内 義亨
大阪大学第二内科
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西内 明子
大阪大学第二内科
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松本 隆男
大阪大学第二内科
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南 雄三
大阪大学第二内科
-
西川 光夫
大阪大学第二内科
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関 孝一
大阪大学第2内科
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西内 明子
大阪大学第2内科
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西川 光夫
大阪大学第2内科
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進士 義剛
大阪大学第2内科
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南 雄三
大阪大学第2内科
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垣内 義亨
大阪大学第2内科
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松本 隆男
大阪大学第2内科
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