液化反応条件下での石炭膨潤速度
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
液化反応条件下での石炭粒子の膨潤速度を推定する目的で, 100〜150meshの赤平炭粒子を試料とし, 種々の溶媒を用いて常圧室温付近 (おもに323K) の一定温度下および10.1MPaの水素雰囲気下で723Kまで昇温中の膨潤度の経時変化を測定した.室温付近の実測結果を, 粒子膨潤殻内の拡散と未膨潤核表面での緩和反応を考慮した未反応核モデルにより解析した.その結果, 膨潤過程は溶媒や温度によって異なるが, 膨潤が迅速な場合は緩和反応律速過程として, 緩慢な場合には拡散律速あるいは両者の中間の速度過程として記述できることが明らかになった.また, 緩和反応速度定数の温度依存性から求めた見掛けの活性化エネルギーは溶媒によってあまり変らず, 約66kJ/mo登で, 膨潤が水素結合の解裂により進行することを確認した.さらに, この結果に基づいて, 液化反応条件下での膨潤度の増加に対する溶媒と昇温速度の影響を説明した.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
-
千葉 忠俊
北海道大学 エネルギー先端工学研究センター
-
〓 超然
北海道大学工学部 附属金属化学研究施設炭素系素材部門
-
真田 雄二
北海道大学工学部 附属金属化学研究施設炭素系素材部門
-
千葉 忠俊
北海道大学工学部 附属金属化学研究施設炭素系素材部門
関連論文
- 石炭液化反応工程における液化油の気液分配
- NEDOL法1t/d PSU液化反応器における反応進行の解析
- 44.揮発性成分/チャー非共存・共存下における褐炭の水蒸気ガス化特性
- KClとTiCl_4からのK_2TiCl_6の合成反応特性
- 60.石炭軟化固化特性の粘度変化に基づく評価(石炭利用における科学と工学の融合)
- In-situ ^1H-NMRによる石炭軟化特性の評価
- 53.配合炭加熱時の粘度変化
- 43.急速昇温石炭水蒸気ガス化機構の解明
- 気泡塔型石炭液化反応塔の設計方法
- 石炭液化技術を考える
- 150t/d石炭液化パイロットプラントの液化油の物性
- 150ton/day NEDOL法石炭液化パイロットプラントスラリー予熱器における有効スラリー粘度および熱伝導度
- 高温NMRによる軟化溶融石炭の擬似成分ランピング解析(論文賞,平成17年度 日本エネルギー学会)
- 軟化溶融石炭の擬似成分ランピング解析
- 高温NMRによる軟化溶融石炭の擬似成分ランピング解析
- 5.加熱に伴う石炭中の常磁性種の変化と凝集構造緩和
- 3.UV/VIS吸収および蛍光分析法によるヴィクトリア褐炭中の芳香族環構造の評価
- 57.亜臨界水から褐炭への水素移動
- これからのエネルギー需要と資源転換技術 (特集 資源エネルギー技術の展望)
- 高温における石炭灰粒子安息角のその場測定
- 63.溶媒流通式液化による褐炭の最大転化率(石炭利用における科学と工学の融合)
- ビチューメンの熱分解におけるアスファルテン
- ベンチスケール石炭直接液化反応器の反応解析
- 5-7.石炭単一粒子の着火機構に及ぼす対流の影響(Session(5)燃焼)
- 超小重力下における単一石炭粒子の着火機構
- 42.石炭の急速昇温水蒸気ガス化による水素製造プロセスの開発
- NEDOL法1t/d PSU予熱器における反応進行
- 石炭炭化反応中のガス発生特性(コークスプロセス工学の展開)
- 2.4ton/day石炭直接水添液化PDUスラリー予熱器におけるスラリー粘度変化の推算
- 76.液化反応の初期過程に関する研究 : (4)熱分解に伴うラジカル生成挙動と構造変化
- 重質炭素資源を利用する熱化学エネルギー変換による水素製造 (特集 水素エネルギー社会を目指して)
- 46.排ガス循環CO_2/O_2石炭燃焼におけるチャーおよび揮発分からの窒素酸化物生成特性(石炭利用における科学と工学の接点)
- 2-11.排ガスリサイクル石炭燃焼における窒素酸化物排出特性の解析(Session(2)石炭利用)
- 化学工学会における今後の国際交流
- 今後のエネルギー需要と資源転換技術
- 9.褐炭液化反応の進行に及ぼすギ酸イオンの影響
- 8.溶媒流通法による水素供与性溶媒への石炭の溶解特性評価
- 石炭液化反応特性のシミュレーションによる考察
- 液化反応条件下での石炭膨潤速度
- 気固系流動層表面からの粒子の放出機構
- 気液同時吹き込みノズルを用いた気泡塔内の固体粒子の挙動
- 気液同時吹き込みノズルを用いた気泡塔の吹き込み部近傍の流動特性
- 石炭の流動燃焼における粒径分布の影響