黒鉱からのガリウム, インジウムの湿式製錬プロセスへの乳化液膜の応用
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概要
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黒鉱からの亜鉛製錬残渣である石膏を原料とするGaとInの溶媒抽出法による湿式製錬プロセスに液膜法を応用することを検討した.このプロセスには3段の抽出工程が存在するが, 本研究では第1段のGa, Inの予備濃縮工程に支持液膜法および乳化液膜法の双方の応用を試みた.供給液はGaおよびInを約300ppm含む硫酸浸出液であるが, この中にはAlが16,000ppm, Znが30,000ppm共存している.抽出試薬としてVersatic-10 (V10) および2-Brolodecanoic acid (2BDA) を用いた.実験の結果, 抽出試薬としては実プロセスで使用されたV10より, 2BDAが適当であることがわかった.また, 支持液膜法では膜透過流束が小さく実用化が難しいことがわかった.一方, 乳化液膜法では, 界面活性剤であるSpan80の濃度を8vol%, 抽出試薬である2BDAの濃度を20vol%にすることにより約10分で90%のGa, Inの抽出が完了し, 従来のミキサーセトラーを用いた溶媒抽出プロセスに比較して抽出試薬量を1/50, 装置体積を1/10に軽減できることがわかった.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
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庄野 厚
Department Of Industrial Chemistry Science University Of Tokyo.
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今石 宣之
九州大学 先導物質化学研究所
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宝沢 光紀
東北大学 反応化学研究所
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秋葉 巌
出光石油化学(株)化成品研究所
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庄野 厚
東北大学 非水溶液化学研究所
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藤縄 勝彦
東北大学 非水溶液化学研究所
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