炭素基板を用いた反応性高速スパッタSic膜
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概要
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(i) 同一表面粗度基板上にスパッタにより形成されたSicの表面粗度は低温域基板に比べ高温域基板の方が平滑になる.これは高温域基板程スパッタ形成膜の基板上での表面拡散の効果が大きく働らくため, 平滑化が促進されたと思われる.<BR>(ii) x線回折の結果, 低温域でスパッタしたSiCはアモルファス状であり, 高温域の場合は (111) に強く配向したβSiCであった.<BR>(iii) 膜の硬度値は<I>P</I><SUB>C2H2</SUB>に大きく依存し, 過剰のSiの減少と共に急激に硬度は増す.x線回折強度比 (<I>I</I>=<I>I</I> [Si (111)] /<I>I</I> [βSiC (111)]) の<I>P</I><SUB>C2H2</SUB>依存性と硬度の<I>P</I><SUB>C2H2</SUB>依存性は同一の傾向を示した.また低温域のSiC膜の硬度値は, 高温域のそれに比べ, 高い<I>P</I><SUB>C2H2</SUB>側に寄っている.これは高温域に比べ低温域 (反応律速段階) ではアセチレンの熱分解度が小さいために炭素が不足となり, より高い<I>P</I><SUB>C2H2</SUB>が必要になったためと思われる.<BR>(iv) Sicの内部応力は圧縮性でその程度はStoneyの式より, 低温域の場合14kg/mm<SUP>2</SUP>, 高温域の場合5kg/mm<SUP>2</SUP>程度であった.高温になる程応力が減少するのは水素の脱離のためか, あるいは高温下でのエージングによる応力緩和なのかを今後確認する必要があると考えられる.
- 日本真空協会の論文
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