高γグロブリン血症から長期間経過し, Sjögren症候群と全身性エリテマトーデスを発症した1例
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概要
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高γグロブリン血症と白血球数減少症を検出して以来, 14年後にSjögren症候群を, 20年後に全身性エリテマトーデスを合併した症例を経験した.症例は37歳家婦で, 17歳時(1973年)に学校検診で高γグロブリン血症を指摘され精査のために当科に第1回目入院する.各種検査を施行するも高γグロブリン血症と白血球減少症を認める以外に確定診断は得られなかった. 29歳(1985年)易感染症と全身倦怠感を自覚し当科を受診する.頚部および腋窩部にリンパ節腫脹を認め,抗核抗体,抗SS-A抗体,抗SS-B抗体が陽性であった. 33歳(1989年)眼・口腔内乾燥症状とRaynaud現象が出現した. 1992年8月抗dsDNA抗体が陽性となり1993年1月には発熱,関節痛,尿蛋白が出現し抗Sm抗体も陽性となり同年10月入院した.精査のうえ, Sjögren症候群と全身性エリテマトーデスの合併と診断した.プレドニゾロン投与,ステロイドパルス療法にて,臨床症状,所見はすみやかに改善した. 本症例は両疾患の発症,進展および両疾患の関連を追求するに示唆に富む症例と考え報告した.
著者
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河部 庸次郎
長崎大学第一内科
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塚田 敏昭
長崎大学第一内科
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長瀧 重信
長崎大学第1内科
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江口 勝美
長崎大学第1内科
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溝上 明成
長崎大学第1内科
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喜多 雅子
長崎大学第1内科
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井手 茜
長崎大学第1内科
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河部 庸次郎
長崎大学第1内科
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塚田 敏昭
長崎大学第1内科
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