ウシ妊娠血清からの早期妊娠因子(Early Pregnancy Factor, EPF)の抽出•精製とその生化学的検討

概要

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ウシ妊娠血清からEPFを抽出,精製し,その生化学的検討を試みた.人工授精後,8日目にホルスタイン種雌一頭を屠殺し,得られた血液241から10.41の血清を採取した.この血液のRITは,6であった.この血清を限外口過,CM-SepharoseとDEAE-Sepharoseのイオン交換クロマトグラフィーに適用したところ,DEAEの非吸着分画に高いEPF活性(RIT ?? 8)が認められた。この分画をSDS-PAGEで分析した結果,4本のバンドが認められ,それぞれの分子量は,23KD, 22KD, 21.5KD, 21KDと推定された。さらに,EPFの純度を上げるため,FPLC-ゲルクロマトグラフィーを実施したところ,流速1.5mlで分画No.11,流速0.5mlで分画No.32のみが高いEPF活性(RIT ?? 8)を示した。この分画No.32の分子量範囲は,22~21KDと推定され,その中心の分子量は21.5KDと考えられた。また,非妊娠血清を同様の方法で精製し,DEAE非吸着分画をSDS-PAGEで分析したところ,分子量21.5KDのバンドは確認されなかった。したがって,ウシEPFの分子量は,21.5KDと推察された。さらに,EPFの等電点を求めるため,二次元電気泳動を実施した。その結果,分子量20~30KDの間に,1つの点が認められ,この等電点は,pl=5.0付近と考えられた。しかし,この点が4本のバンドのどれに相当するのか確認できなかった。
日本繁殖生物学会の論文