中国四川省北部朝天におけるペルム紀-トリアス紀境界の詳細層序
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
To reveal environmental changes across the Permo-Triassic boundary (PTB), detailed lithostratigraphy was analyzed of the PTB interval at Chaotian in northern Sichuan, China. The study interval is composed mainly of shelf carbonates that are lithologically divided into 7 units, i.e., Units A to G in ascending order. Units A-E (8.5 m) correspond to the uppermost Permian, and Units F-G (3.5 m) to the lowermost Triassic. On the basis of a field study and microscopic observations of more than 200 thin sections, the main extinction horizon is recognized at the Unit DIE boundary. Various fossils, such as ammonoid, brachiopod, bivalve, radiolaria, and conodont occur abundantly in Units A-D, while they are absent (or nearly absent) in Units E-G. Radiolarians in particular, show a clear contrasting mode of occurrence : abundant in Unit D to its top, while barren in Unit E and above. The Unit D/E boundary is thus identified as the event PTB horizon with major extinction. The PTB extinction terminated various Late Permian organisms, particularly radiolarians, which are representative planktons in open ocean, suggesting a sharp decline in total marine productivity. On the other hand, the Griesbachian (Early Triassic) index conodont <I>Hindeodus parvus</I> first appears at the base of Unit F, thus the Unit E/F boundary is recognized as the biostratigraphically-defined PTB horizon. The marl of Unit E represents the interval of strong environmental stress that appeared around the PTB. The population of the latest Permian radiolarians decreased remarkably across the Unit B/C boundary, while their mean shell size stayed constant, and even increased rapidly within Unit D. As large-shelled radiolarians often predominate in the cool waters of modern oceans, the radiolarian size increase in Unit D may indicate that the depositional site may have been invaded by a cooler water mass at the end of Permian period.
- 社団法人 東京地学協会の論文
著者
-
磯崎 行雄
東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系宇宙地球科学教室
-
姚 建新
中国地質科学院・地質研究所
-
紀 戦勝
中国地質科学院地質研究所
-
磯崎 行雄
東大 大学院総合文化研究科
-
清水 紀英
東京大学大学院総合文化研究科宇宙地球科学教室
-
松田 哲夫
共栄興業株式会社
-
磯崎 行雄
東京大学大学院総合文化研究科宇宙地球科学教室
関連論文
- O-4 古生代/中生代遷移期の始まりと上村事件(1.地球史とイベント大事件 3:地球の変化に迫る,口頭発表,一般講演)
- P-2 宮崎県高千穂町上村地域におけるペルム系Guadalupian統石灰岩のフズリナ化石帯区分(1.地球史とイベント大事件3:地球の変化に迫る,ポスター発表,一般講演)
- 南中国の三畳紀古-中世放散虫化石群集 : P/T絶滅事件後の回復過程の記録(2.ジュラ系+)
- O-48 中国雲南省澄江(チェンジャン)地域の最上部エディアカラ系-最下部カンブリア系SSF(Small Shelly Fossils)化石層序(5.後生動物の進化と絶滅史,口頭発表,一般講演)
- O-27 南中国地塊のペルム系珪質岩相の分布と年代(4.地域地質・地域層序,口頭およびポスター発表,一般講演)
- 日本列島の起源と付加型造山帯の成長 : リフト帯での誕生から都城型造山運動へ
- 輸出科学の時代 : ―日本列島の地体構造区分・造山運動研究史―
- O-98 ドーム型層状シアノバクテリア・マットの形成 : 堆積物被覆実験によるストロマトライト様構造(炭酸塩岩の起源と地球環境,口頭発表,一般講演)
- 原生代末期−古生代前期における深海の酸化還元環境:57Feメスバウアー分光法による遠洋深海チャートの検討
- カナダ・オンタリオ州ヒューロニアン累層群中硫化物の硫黄同位体組成
- モホロビチッチの地震計
- レーザーアブレーションICP-MSによる西オーストラリア, ノースポール地域の太古代酸性貫入岩・火山岩類のジルコンU-Pb年代
- 特集号「日本列島形成史と次世代パラダイム(Part I)」 : ―巻頭言―
- P-4 英国ウェールズ州アングルシー島の後期原生代-古生代イアペタス海起源遠洋性石灰岩・チャート(1.地球史とイベント大事件3:地球の変化に迫る,ポスター発表,一般講演)
- モホロビチッチの地震計
- 特集号「生命の起源と極限生物圏」 : 巻頭言
- P-63 原生代初期ヒューロニアン累層群エスパニョーラ層(カナダ・オンタリオ州)における無機・有機炭素同位体比変動(9. 地域地質・地域層序)
- O-183 中国広西来賓のペルム紀放散虫(その2)(22. 中・古生代古生物)
- P-131 中国広西来賓のペルム紀放散虫
- カナダ・ヒューロニアン累層群における元素の挙動と酸化還元環境の変遷(4.地球史とイベント大事件-1 初期地球の時代から変化していった地球環境変遷史を地球史上の大イベントから考える)
- O-63 原生代初期ゴウガンダ層(ヒューロニアン累層群、カナダ・オンタリオ州)におけるMn濃集層の発見と酸化還元環境の変遷についての考察(9. 地域地質・地域層序)
- P-257 ロシア南部ゴルニアルタイ山地の原生代/顕生代境界頃の石灰岩 : 岩相の特徴と全岩Pb-Pb同位体年代
- O-284 P-T 境界層準マールの岩石学的・地球科学的特徴 : 南中国朝天セクションについて
- 南中国・四川省朝天における上部Guadalupian(中部ペルム系)の岩相層序:海水準変動と堆積場の酸化・還元条件の変遷
- S-30 地球生命進化と外宇宙との相互作用((5)地球生命進化と外宇宙との相互作用,口頭発表,シンポジウム)
- O-49 南中国・四川省朝天におけるペルム紀中-後期(G-L)境界の層序(5.後生動物の進化と絶滅史,口頭発表,一般講演)
- S-38 生命進化と宇宙気象学((5)地球生命進化と外宇宙との相互作用,口頭発表,シンポジウム)
- モホロビチッチが残したもの
- P-3 南中国・四川省朝天におけるペルム紀G-L境界の層序(予報)(1.地球史とイベント大事件3:地球の変化に迫る,ポスター発表,一般講演)
- P-54 培養シアノバクテリアマットの凸型構造と化石ストロマトライト形態との類似性(8.炭酸塩岩の起源と地球環境,口頭およびポスター発表,一般講演)
- Guadalupian (Middle Permian) giant bivalve Alatoconchidae from a mid-Panthalassan paleo-atoll complex in Kyushu, Japan: A unique community associated with Tethyan fusulines and corals
- 地球最古(35億年前)バクテリア化石と生息環境 -太古代中央海嶺の深海熱水活動域-
- 超海洋中央部のGuadalupian-Lopingian境界における炭素同位体比変動(4.地球史とイベント大事件-1 初期地球の時代から変化していった地球環境変遷史を地球史上の大イベントから考える)
- 宮崎県高千穂町上村に産する古海山頂部石灰岩中のペルム系中・上部境界での炭素同位体比変動
- 生命史研究の潮流
- シベリア南部ゴルニアルタイ山地のカンブリア紀付加体に産する古海台/海山頂部起源石灰岩
- 四国中央部, 三波川低温高圧型変成岩の付加体起源について : 層平行短縮構造と緑色岩の化学組成
- 宮崎県高千穂町上村のペルム系岩戸層および三田井層の層序 : 海山頂部相石灰岩中に確認された茅口階, 呉家坪階および長興階
- 古海山頂部の石灰岩に記録されたP-T境界直前の超海洋環境--宮崎県高千穂町上村のペルム系岩戸層および三田井層の層序 (総特集 21世紀の古生物学の展望--復元の科学) -- (3章 生物事変の諸相--復元の科学(3))
- O-285 南中国四川省朝天における中・上部ペルム系境界層の詳細層序
- 中国タリム盆地西縁域の中生代・前期新生代化石貝類群の研究
- 特集号「日本列島形成史と次世代パラダイム(Part II)」表層地質からマントル対流起動論へ : ―巻頭言―
- 日本列島の地体構造区分再訪 : ―太平洋型(都城型)造山帯構成単元および境界の分類・定義―
- 活動的大陸縁の肥大と縮小の歴史 : ―日本列島形成史アップデイト―
- インドネシア非火山性外弧のオフィオライト : ―世界最若オフィオライトの産状と岩石学的多様性―
- 特集号「日本列島形成史と次世代パラダイム(Part III)」表層地質からマントル対流起動論へ : ―巻頭言―
- 古生代日本と南北中国地塊間衝突帯の東方延長
- 超海洋中央部での古生代末大量絶滅事件と浅海環境の急変 - 海山頂部相中・上部ペルム系石灰岩の生層序および岩相層序
- 中国四川省北部朝天におけるペルム紀-トリアス紀境界の詳細層序
- 古生代・中生代(P / T)境界での巨大隕石衝突は本当か?(『地球システム変動と大量絶滅』)
- フォーラム 日米若手科学者のドリームチーム対決--第3回JAFoSシンポジウム報告
- O-261 ペルム系茅口階・呉家坪階境界の広域テフラと生物大量絶滅(23. 中・古生代古生物,口頭発表,一般発表)
- P-1 南中国の揚子地塊と華夏地塊の境界(1. 日本列島とアジア大陸の地質学的連続性,ポスター発表,一般講演)
- O-259 赤坂石灰岩におけるペルム系中/上部統境界付近の層序の再検討(23. 中・古生代古生物,口頭発表,一般発表)
- O-244 四川省北部における上部ペルム系のボーリングとP-T境界「プルームの冬」仮説の検証(23. 中・古生代古生物,口頭発表,一般発表)
- P-66 ロシア南部ゴルニアルタイ山地カンブリア紀付加体中の古海山起源石灰岩の層序(10. 地域地質・地域層序,ポスター発表,一般講演)
- P-68 ロシア南部ゴルニアルタイ山地中の原生代/顕生代境界頃の古海山頂部起源石灰岩の層序(11. 年代層序スケール,ポスターセッション,一般発表)
- O-126 ロシア南部ゴルニアルタイ山地のカンブリア紀古海山頂部石灰岩 : その産状・層序・放射性年代・微化石および炭素同位体比(12. 年代層序スケール,口頭発表,一般発表)
- インドネシア非火山性外弧のオフィオライト : 世界最若オフィオライトの産状と岩石学的多様性
- 日本列島の地体構造区分再訪 : 太平洋型(都城型)造山帯構成単元および境界の分類・定義
- 輸出科学の時代 : 日本列島の地体構造区分・造山運動研究史
- 活動的大陸縁の肥大と縮小の歴史 : 日本列島形成史アップデイト
- 古生代日本と南北中国地塊間衝突帯の東方延長
- O-302 日本の海山頂部相のペルム系中・上部統石灰岩の層序(24. 中・古生代古生物,口頭発表,一般講演)
- 特集号「日本列島形成史と次世代パラダイム(Part III)」表層地質からマントル対流起動論へ : 巻頭言
- 特集号「日本列島形成史と次世代パラダイム (Part II)」表層地質からマントル対流起動論へ : 巻頭言
- 特集号「日本列島形成史と次世代パラダイム (Part I)」 : 巻頭言
- O-260 中国四川省北部朝天セクションのP-T境界層の詳細層序(23. 中・古生代古生物,口頭発表,一般発表)
- P-172 中国四川省北部のP-T境界前後の石灰岩の微小岩相変化(24. 中・古生代古生物,ポスター発表,一般講演)
- P-159 ペルム紀新世放散虫 : コノドント化石群集の特性(23. 中・古生代古生物,ポスターセッション,一般発表)
- P-158 上部ペルム系放散虫化石帯とコノドント化石帯の対比(23. 中・古生代古生物,ポスターセッション,一般発表)