経肛門的超音波検査による痔瘻・肛囲膿瘍の診断
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概要
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現在痔瘻および肛門膿瘍の診断は, 視診・触診によるところが多く, 検査機器を用いての客観的検査は施行されることが少ない.そこで今回これらの疾患に対し, 経肛門的超音波検査を用い, 診断補助としての有効性を調べた.対象は1989年5月から10月までの手術症例50例で, 以下の結果を得た。 (1) 内外 (深, 浅, 皮下) 括約筋, 肛門挙筋が描出された。 (2) 歯状線は局麻剤を歯状線上に局注することにより同定された. (3) これらを総合することにより, 隅越分類(表1) のIIL, IIH, III, IVの術前診断が可能であった. (4) 肛囲膿瘍の場合は, 超音波画像上cysticpattemとして描出され, 痔瘻の場合は, 括約筋類似のecholevelとして描出され, 診断は比較的容易であった. (5) 深部肛門病変のうち, III病変の揚合ほとんどの症例においてII病変を合併し, IV病変の場合は特殊病変を除けばII, III病変を合併することが多かった.
著者
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