Budesonideの抗炎症作用
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概要
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budesonideの各種動物炎症モデルにおける抗炎症作用と臓器萎縮作用(胸腺および副腎)を全身(皮下)および局所投与(起炎剤と混合投与)の2投与法によりbetamethasonel 17-valerateを主たる対照薬として検討した. budesonideの皮下投与は,ラットカラゲニン足浮腫,ラットクロトン油耳浮腫,ラット綿球肉芽腫,ラットアジュバント関節炎,ラットPCA反応,ラットアルサス型足浮鍾,マウス接触性皮膚炎,およびラットでのヒスタミンとセロトニンによる血管透過性の亢進に対しbetamethasone 17-valerateよりも明らかに強い抑制効果を示した.カラゲニン足浮腫,クロトン油耳浮腫および接触性皮膚炎の3種モデルにおいては更に3種対照薬を加え検討したところ,抗炎症および臓器萎縮作用共にfluocinolone acetonide, budesonide, betamethasone 17-valerate, hydrocortisone 17-butyrate, hydrocortisone 21-acetateの順の作用強度であった.しかし, budesonideの方が有効量と副作用量が分離している傾向にあった.局所投与されたbudesonideはカラゲニン足浮腫,クロトン油耳浮腫,クロトン油背部皮膚炎,綿球肉芽腫および接触性皮膚炎に対しbetamethasone 17-valerateよりも強い抗炎症効果を示した.クロトン油耳浮腫,綿球肉芽腫および接触性皮膚炎の実験で両化合物の抗炎症および臓器萎縮作用を比較したところ, budesonideでより作用と副作用が分離していた.カラゲニン足浮腫,クロトン油耳浮腫および接触性皮膚炎においては更に他の対照剤3種を含めて検討したが,その抗炎症作用の強さの順位は全身投与におけると同様であった.対照薬で若干の臓器萎縮作用がみられたがbudesonideでは明らかな抗炎症作用のみられる投与量においても何ら副作用はみとめられなかった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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菊地 博之
藤沢薬品工業株式会社小金井分室
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越智 武洋
藤沢薬品工業株式会社 新薬研究所
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広井 純
藤沢薬品工業
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藤井 隆
藤沢薬品工業
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大柳 善彦
藤沢薬品工業(株)中央研究所
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妹尾 八郎
藤沢薬品工業(株)研究本部
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佐藤 幸夫
藤沢薬品工業(株)薬理研究所
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越智 武洋
藤沢薬品工業(株)新薬研究所
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森 襄
藤沢薬品工業(株)中央研究所
-
小林 克容
藤沢薬品工業(株)中央研究所
-
森 襄
藤沢薬品工中央研究所
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越智 武洋
藤沢薬品工業(株)中央研究所
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菊地 博之
藤沢薬品工業(株)中央研究所
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広井 純
藤沢薬品工業(株)中央研究所
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妹尾 八郎
藤沢薬品工業(株)中央研究所
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藤井 隆
藤沢薬品工業(株)中央研究所
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佐藤 幸夫
藤沢薬品工業(株)中央研究所
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