FUT-175(nafamostat mesilate)の血液凝固および実験的汎発性血管内血液凝固症(DIC)に対する作用
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概要
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FUT-175(nafamostat mesilate)の血液凝固およびDICモデルに対する作用を検討した.FUT-175はラット血液に添加した場合,活性化部分thromboplastin時間(APTT)において,1×10<SUP>-6</SUP>Mで対照の約2倍に凝固時間を延長した.この作用はheparinの0.3U/mlあるいはgabexate mesilateの1×10<SUP>-3</SUP>Mに相当した.また,prothrombin時間(PT),thrombin時間(TT)においても,FUT-175は明らかな抗凝固作用を示した.endotoxin誘発DICモデルに対しては,endotoxin投与開始直前にFUT-175を腹腔内投与した場合と,endotoxinと同時に静脈内に持続投与した場合の作用を検討した.いずれの場合もFUT-175投与により,血液凝固時間の延長,fibrinogen量,血小板数および補体価の減少,FDPの増加は抑制または抑制傾向を示した.さらに,FUT-175持続投与群において,腎糸球体のfibrin沈着を検討したところ,改善が認められた.以上のように,FUT-175は強い抗凝固作用を有し,実験的DICモデルに有効であることが判明した.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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越山 良子
鳥居薬品(株)研究所
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岩城 正廣
鳥居薬品(株)研究所
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荻原 まどか
鳥居薬品(株)研究所
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小堀 明美
鳥居薬品(株)研究所
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横本 泰樹
鳥居薬品(株)研究所
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大谷 京子
鳥居薬品(株)研究所
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島村 和位
鳥居薬品(株)研究所
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