MK-0521 の In vivo における Angiotensin 変換酵素阻害作用および2腎性 Goldblatt 型高血圧犬における単回投与による降圧作用と Renin-angiotensin 系に対する作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
MK-0521のイヌにおける angiotensin 変換酵素阻害作用および2腎性 Goldblatt 型高血圧犬における単回投与による降圧作用を検討し,captopril および MK-421 と比較すると共に,併せて renin-angiotensin-aldosterone 系に対する作用を検討した.MK-0521 は静脈内投与(0.001〜0.1mg/kg)および経口投与(0.01〜1mg/kg)のいずれにおいても用量依存的に angiotensin I の昇圧作用を抑制し,bradykinin の降圧作用を増強したが,angiotensin IIの昇圧作用に対しては影響を与えなかった.MK-0521 の angiotensin I 昇圧抑制作用は,静脈内投与の場合,captopril より9.8倍強く,経口投与の場合,captopril より15.9〜32.1倍,MK-421 より約3倍いずれも強かった.経ロ投与によるMK-0521の作用発現時間および最大作用発現時間は共にMK-421より早く,captoprilより緩徐であった.また,作用の持続は captopril より長く,MK-421 と同等ないし長かった.これらの変化は血中濃度の時間経過と密接に相関していた.2腎性 Golblatt 型高血圧犬において,MK-0521 は0.3mg/kg以上の経口投与で用量依存的な降圧作用を示した.その際,心拍数には明らかな影響を及ぼさなかった.MK-0521 の降圧作用は持続的で,最大降圧作用で比較するとcaptopril より約3倍強かった.また,血清 angiotensin 変換酵素活性を抑制し,血漿 renin 活性を上昇させ,血漿 aldosterone 濃度に対しては減少傾向を示した.これらの変化は降圧作用の時間経過と良く並行した.以上の成績より,MK-0521の降圧作用は主に angiotensin 変換酵素阻害による angiotensin II 生成の抑制によって引き起こされることが明らかとなった.
著者
-
織田 実
鳥居薬品株式会社 研究所
-
織田 実
鳥居薬品(株)研究所
-
猪 好孝
鳥居薬品(株)研究所
-
岩城 正廣
鳥居薬品(株)研究所
-
佐藤 拓夫
鳥居薬品(株)研究所
-
鈴木 邦彦
鳥居薬品(株)研究所
-
岩本 里美
鳥居薬品(株)研究所
関連論文
- メシル酸ナファモスタット及びメシル酸ガベキサートのヒトにおける加水分解反応の比較
- 新規抗血小板薬 Ethyl 2-[4, 5-bis(4-methoxyphenyl)thiazol-2-yl]pyrrol-1-ylacetate (KBT-3022) の一般薬理作用 (2) 呼吸・循環器系, 消化器系および平滑筋に及ぼす影響
- 新規シート状フィブリン接着剤TO-193の組織の接着および臓器の閉鎖効果
- ラット逆流性食道炎に対するSepimostat mesilate (FUT-187)の作用
- 新規シート状フィブリン接着剤TO-193の実験的創傷モデルにおける止血効果
- シート状Fibrin接着剤の最適用量およびウサギ頸動脈における止血効果の検討
- メシル酸セピモスタット(FUT-187)のトリプシン様セリンプロテアーゼに対するin Vitro阻害作用
- シート状Fibrin接着剤(TO-193,TachoComb^の一般薬理作用
- Synthesis and Structure-Activity Study of Protease Inhibitors. V.Chemical Modification of 6-Amidino-2-naphthyl 4-Guanidinobenzoate
- MK-0521のIn vivoにおけるAngiotensin変換酵素阻害作用および2腎性Goldblatt型高血圧犬における単回投与による降圧作用とRenin-angiotensin系に対する作用
- 2腎性Goldblatt型高血圧犬におけるMK-0521の連続経口投与による降圧作用
- 138.合成蛋白分解酵素阻害剤FUT-175の動物モデルにおける抗補体作用(補体)
- Magnesium sulfate の一般薬理試験
- 妊娠後期ラットの子宮運動に対する Magnesium sulfate の抑制作用
- 126.合成蛋白分解酵素阻害剤, FUT-175の補体および各種セリン酵素に対する作用(補体と免疫複合物)
- スギ花粉の主要アレルゲン Cry j 2に対するモノクローナル抗体の作製 : N末端ペプチド認識抗体との反応性を指標として精製した Cry j 2を用いて
- 445 モルモット遅発型鼻炎モデルにおける鼻腔抵抗測定法の基礎的検討
- コナヒョウヒダニとチリカブリダニとの抗原性の関連について
- 619 モルモット鼻炎モデルの確立と抗原の経口投与の影響の検討
- 226 チリカブリダニ (Pp) とコナヒョウヒダニ (Df) との交差抗原性の検討
- 90 スギ花粉の抗原分析 (I) Hapten-Carrier認識抗体を用いたCry jIIの精製
- 168 House Dust(HD)中の抗原分析(II)
- 167 ダニ標準化に関する研究(I)
- 444 ダニ(D.farinae)抽出中のprotease活性と刺激性の関連について
- 6-Amidino-2-naphthyl 4-[(4,5-dihydro-1H-imidazol-2-yl) amino] benzoate dimethanesulfonate (FUT-187)のモルモットおよびマウスにおける抗原性試験
- 443 ダニ(D.f)排泄物中のcysteine proteaseの精製
- 新規抗血小板薬 Ethyl 2-[4, 5-bis(4-methoxyphenyl)thiazol-2-yl]pyrrol-1-ylacetate (KBT-3022) の一般薬理作用 (3) 血液, 尿排泄およびその他に及ぼす影響
- 新規抗血小板薬 Ethyl 2-[4, 5-bis(4-methoxyphenyl)thiazol-2-yl]pyrrol-1-ylacetate (KBT-3022) の一般薬理作用 (1) 中枢および自律神経系に及ぼす影響
- 抗原エピトープは, どこまで進んだか : 新しい減感作療法について
- N-α-〔(S)-1-carboxy-3-phenylpropyl〕-L-lysyl-L-proline(MK-0521)の In vitro における Angiotensin変換酵素阻害作用
- Nafamostat mesilateと各種セリン蛋白分解酵素阻害剤のIn vitroにおける作用の比較研究
- FUT-175(nafamstat mesilate)の薬理学的研究 : III.FUT-175の抗炎症作用
- FUT-175(nafamstat mesilate)の薬理学的研究 : II.実験的急性膵炎に対する作用
- FUT-175(nafamstat mesilate)の薬理学的研究 : IV.血液凝固系,血小板,線溶系に対する作用
- FUT-175(nafamostat mesilate)の血液凝固および実験的汎発性血管内血液凝固症(DIC)に対する作用
- 2腎性 Goldblatt 型高血圧犬における MK-0521 の連続経口投与による降圧作用
- MK-0521 の In vivo における Angiotensin 変換酵素阻害作用および2腎性 Goldblatt 型高血圧犬における単回投与による降圧作用と Renin-angiotensin 系に対する作用
- Nafamostat mesilate(FUT-175)のラット多形核白血球におけるスーパーオキサイド(O2-)産生抑制作用