D-Penicillamineの研究(第1報)ヒトγ-globulinのCu<SUP>++</SUP>-熱変性抑制作用について
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概要
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D-penicillamineのヒトγ-globulin Cu<SUP>++</SUP>-熱変性抑制作用を,SH阻害剤であるN-ethyl-maldmide,5,5´-dithiobis-2-nitrobenzoic acid,蛋白質修飾剤であるsodium 2,4,6-trinitro-benzenesulfbnate,キレート剤であるethylcnediaminetetraacetic acid,8-hydroxyquinoline,L-histidine,SH剤であるL-penicillamine,L-cysteine,thiomalic acid,6-mercaptopurine,dithiothreitol,金製剤であるaurothioglucose,sodium aurothiomalate,aurotrichloride acid,および非ステロイド系抗炎症薬であるphcnylbutazonc,flufenamic acid,ibuprofenの作用と比較検討し,その作用機作を考察した.D-penicillamineはSH阻害剤,蛋白質修飾剤,キレート剤,dithiothreitol以外のSH剤,aurothioglucose,sodium aurothiomalateと同様に,Cu<SUP>++</SUP>10μM存在下で,63°C,3時間処理によるヒトγ-globulinの変性抑制作用を示したが,dithiothrcitol,aurotrichloride acid,および非ステロイド系抗炎症薬にはその作用はみられなかった.また,D-penicillamineによる熱変性抑制作用はウシ血清albuminにはみられず,さらに,D-penicillamineはヒトγglobulinのCu<SUP>++</SUP>熱変性の際に,その蛋白質結合性を増すことがわかった.以上の結果より,D-penicillamineはCu<SUP>++</SUP>とのキレート形成,およびSH基への結合により,sulfhydryl-disulfide交換反応を阻害し,γ-globulinの変性を抑制するものと考えられた.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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小友 進
大正製薬総合研究所
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田中 一郎
大正製薬総合研
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高橋 紀美代
大正製薬総合研究所薬理研究室
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笹島 道忠
大正製薬総合研究所薬理研究室
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笹島 道忠
大正製薬総合研究所
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田中 一郎
大正製薬総合研究所薬理研究室
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