ナトリウム透過性に影響を及ぼす薬物のカエル筋紡錘に対する作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ウシガエルの第4長指伸筋の摘出筋紡錘を持続的に伸展させ，支配神経から求心性発射(約10Hz)を得た．ナトリウムイオン透過性を増大させる薬物grayanotoxin-I，veratridineおよびaconitineによって求心性発射頻度は著しく増加したが，増加後に減少した．そしてこのように発射頻度が減少している時i`，伝導性のスパイクに混ってabortive spikeが見られた．ナトリウムイオン透過性を減少させる薬物procaine，diphenylhydantoin，chlorpromazineおよびtetrodotoxinによって求心性発射頻度は著しく減少した．Procaine以外のこれら3薬物を適用した場合には，頻度が減少する過程においてabortive spikeの発現が見られた．Procaine存在下ではgrayanotoxin-I，veratridineおよびaconitineの発射頻度増加作用はprocaineによって拮抗された．ここに検討した薬物はいずれも筋紡錘に適用した場合発射頻度を変化させる濃度を神経幹に適用しても，伝導に変化を与えなかった．以上の実験結果は筋紡錘発射頻度が膜のナトリウムイオン透過性と非常に関係が深いことを示唆している．
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
関連論文
- Structure-Activity Relationship of Lyoniol-A and Related Compounds in Association with the Excitatory Effect on Muscle Spindle Afferents
- Local Cerebral Glucose Utilization in Rats with Decerebrate Rigidity and Effects of Centrally Acting Muscle Relaxants, Diazepam and Tizanidine
- 下行性ノルアドレナリン神経による脊髄運動系調節
- ラットの貧血性除脳固縮に対するDiazepamおよびBaclofenの作用
- ラットのγ-運動系に対するBenzodiazepine誘導体の作用
- ナトリウム透過性に影響を及ぼす薬物のカエル筋紡錘に対する作用
- カエル筋紡錘に対する2価陽イオンの作用
- 神経シナプスの伝達とその阻害 (現代神経生理学より臨床へのアプロ-チ)
- Some Observations on the Cardiovascular Effects of 9-Substituted Berberines
- Studies on the Centrally Acting Muscle Relaxants : The Spinal Reflex and the Spinal Gamma-Aminobutyric Acid Level in Young Chickens
- ヒヨコの多シナプス反射におよぼす中枢性筋弛緩薬ならびに数種薬物の作用
- 含弗素有機化合物の合成研究(第5報) : 第4級アンモニウム塩型弗素置換アミノエチルベンツヒドリルエーテル系化合物の合成および薬理的研究
- ヒヨコによるジギタリスの効力検定法
- ツツジ科植物ネジキの筋均衡失調成分Lyoniol-Aの薬理(第1報)
- ナトリウム透過性に影響を及ぼす薬物のカエル筋紡錘に対する作用
- カエル筋紡錘に対する2価陽イオンの作用
- 中枢性筋弛緩薬Chlorphenesin carbamateの薬理学的研究 ―特に運動系に対する作用―
- 下行性ノルアドレナリン神経による脊髄運動系調節
- ラットの貧血性除脳固縮に対するDiazepam およびBaclofenの作用
- ラットのγ-運動系に対するBenzodiazepine誘導体の作用
- 5-(o-Chlorophenyl)-1-methyl-7-nitro-1, 3-dihydro-2H-1, 4-benzodiazepin-2-one (ID-690)の薬理学的研究 ―特に運動系に対する作用―
- ニチニチソウVinca rosea REICHB.の成分(第5報) : ラットの腹水肝癌AH-13, AH-66Fに対する作用について
- シナプスに関する本