カエル筋紡錘に対する2価陽イオンの作用
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概要
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ウシガエル第4長指伸筋の摘出筋紡錘を支配する神経から求心性発射を記録した.持続的に筋紡錘を伸展させて得られた約10Hzの発射は,Ca<SUP>2+</SUP>,Mg<SUP>2+</SUP>またはMn<SUP>2+</SUP>(1.0〜8.0mM)をCa<SUP>2+</SUP>2.0mM含む正常リソゲル液に加えると著しく減少し,その減少は濃度に依存していた.Ca<SUP>2+</SUP>またはMn<SUP>2+</SUP>(4.0mM)を加えて発射が減少している時期には,abortive spikeの出現が見られた.しかし,Mg<SUP>2+</SUP>(4.0mM)の場合ではabortive spikeは見られなかった.リソゲル液からCa<SUP>2+</SUP>を除去すると発射の頻度は増加し,それはCa<SUP>2+</SUP>(2.0mM),Mg<SUP>2+</SUP>(2.3mM)またはMn<SUP>2+</SUP>(1.8mM)を加えることによりもとの発射レルベにまでもどった.これらのイオンの高濃度を神経幹に適用しても求心性発射の伝導には変化が見られなかった.以上より,外液Ca<SUP>2+</SUP>は筋紡錘の求心性発射機構の抑制に関与していることが明らかである.このCa<SUP>2+</SUP>作用はMg<SUP>2+</SUP>やMn<SUP>2+</SUP>によって代償されるので,特異的なものではないと考えた.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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