成長モデルを含む線形モデルによるクリープ飼料の効果の解析

概要

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黒毛和種の親子牛49組を用いて,放牧期における子牛への補助飼料の給与の効果について調べた.牧区は補助飼料給与区と無給与区に分割し,この2牧区に親子組を分割配置し,4月中旬から10月中旬まで放牧を実施した.補助飼料は子牛の採食に合わせて追加給与し,体重測定は隔週に行なった.解析には,BRODYの成長モデルを応用した.このモデルの誘導関数を導き,子牛の日増体量を目的変数(Y)とした.飼料条件(Cp),年次(Yr),子牛の性(Sx),母牛の産次(Pt),歴月(Sz),母牛の日増体量(Dm)を説明する変数を追加して,線形モデルを導いた.Y=b0+b1e-kt+b2Cp+b3Yr+b4Sx+b5Pt1+b6Pt2+b7Sz1+b8Sz2+b9Dmこの成長モデルを含む線形モデルの重相関係数は0.364であり,寄与率は0.133であった.また,回帰成分の残差分散に対する分散比はP<0.005で有意であった.偏回帰係数b2,b3,…,b9の推定値のなかで,b2(0.0963),b4(0.1376),b7(0.2157),b9(0.0650)の傾きはP<0.01で有意であった.b2は補助飼料の給与の効果をDGで表現しており,補助飼料の給与による増体効果は,DGで0.0963kgであった.b4は子牛の性にかかる係数であり,雄子牛は雌子牛よりもDGが0.1376kg優れていた.b7は放牧シーズンの中で,4,5,6月に対して7,8月の効果にかかる係数であり,7,8月は4,5,6月に対してDGが0.2157kg優れていた.b9は母牛のDGにかかる係数であり,その符号が正で,傾きが有意であることから,母牛の増体量が優れれば,その子牛も増体量が優れる傾向を示した.

成長モデルを含む線形モデルによるクリープ飼料の効果の解析

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