ウシおよびブタ精漿のホスホリパーゼA活性について
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概要
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ウシ精漿には, 赤血球, 卵子および精子に対して細胞膜の融解またはリン脂質の減少をひきおこす作用のあることが知られている. このような反応には, リン脂質分解酵素が関与している可能性があるため, 本研究ではウシ精漿のボスホリパーゼA活性の測定を試みた. また, 上記の作用がみられないブタ精漿およびボスホリパーゼA2活性の存在が知られているヒト精漿も比較のため供試した. アッセイにはヒドロキサメート法を適用し, インキュベーションはCaを20μmol含む50mMトリスー塩酸緩衝液 (pH7.5) を用い3時間行った。ホスファチジルコリンを基質とした場合, ウシ精漿は他の精漿に比べて高い活性を示した (加水分解エステルとして, ウシ8.66±1.08, ブタ1.09±0.51, ヒト1, 22±0.48μmol/ml/3hrs, 平均値±標準誤差). ヒト精漿はホスファチジルコリンよりもホスファチジルエタノールアミンをより多く加水分解した. ブタ精漿の活性はいずれの基質に対しても低かった. ウシ精漿に高いホスホリパーゼA活性が認められたことから, 本酵素が細胞膜融解を伴う変化に関与している可能性のあることが示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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