牛精漿の存在下で凍結•融解した豚精巣上体精子の脂質減少に関する組織化学的観察
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概要
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各種家畜の精巣上体精子に牛精漿を加えて凍結•融解すると,精子のリン脂質の約50%が失われることが知られているが,本研究は豚精巣上体尾部精子を用い,この点について組織化学的証明を行った.豚精巣上体精子は,スダン黒Bの脂肪染色によって主に中片部が顆粒状に濃染されたが,各処理による染色程度を数値によって比較するため染色顆粒を数えて4段階に分類し,脂肪指数として示した.その結果,無処理区では脂肪指数3.8,精子リンガー液添加後凍結•融解したものでは3.7,豚精漿AおよびBを添加後凍結•融解したものでは3.0および2.8,牛精漿を添加後凍結•融解したものでは2.0,ホスホリパーゼA2液(シグマ社の蛇毒由来の製品をリンガー液に溶解し,210単位/mlの活性を示すもの)を添加後凍結•融解したものでは1.0であった.また,無添加および豚精漿に比べて,精子の脂肪指数を著しく低下させた牛精漿およびホスホリパーゼA2液は,ホスホリパーゼA2活性の指標となる卵黄透明化活性が著しく高かった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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