分集団で構成される肉用牛集団における選抜効果の発現様相と種畜供用年数の影響
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概要
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黒毛和種の集団を想定し,集団は種雄候補牛の生産を目的とした育種群(閉鎖群),肥育素牛生産の繁殖雌牛群(父牛は育種群から供給)と繁殖難牛群に種雄牛を交配して生産された肥育群の3牛群で構成した.選抜は育種群父,母牛の4径路と繁殖雌牛および肥育牛父牛の合計6径路とした.改食形質は種雄牛能力,産子能力と産肉能力の3項目とし,雌牛は初産離乳時までの成績,種雌牛はそれ自身の成績,後代の去勢牛の産肉成績と娘牛の初産離乳時までの成績に基づいて選抜した.種畜の供用年数は選抜後の後代生産年数とし,現状,4年,あるいは1年とした.1単位の遺伝的選抜差の種畜が1世代の選抜によって生後50年ないし40年後までに期待される毎年の改良量と累積割引改良量をDiscounted gene flow法で予測し,選抜効果の発現様相と,供用年数の短縮が選抜効果に及ぼす影響を検討した.40年後までの累積割引改良量は割引率0%と6%を想定した.得られた結果は次の如くに要約される.(1) 育種群父,母牛の選抜による毎年の改良量は,供用年数が短くなる程特に早期において変動が大きく,安定した改良量を得るまでに長期間を要し,その収束値は,4径路の世代間隔の和に逆比例する.(2) 繁殖雌牛および肥育牛父牛の選抜効果は供用年数が短い程早期に多くの効果が期待される.割引率0%の累積改良量は年の経過に伴って差がなくなる.割引率6%では早期に選抜効果が発現される程大きくなるが,40年後の累積割引改良量の供用年数間の差は他の4径路の選抜効果に比較して小さい.(3) 各径路の選抜効果に対する各径路の供用年数の短縮効果は選抜対象径路の短縮効果が最も大きい.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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清水 弘
北海道大学農学部畜産科学科
-
上田 純治
北海道大学農学部家畜改良増殖学講座
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上田 純治
酪農学園大学
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清水 弘
北海道大学低温科学研究所
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清水 弘
北大 大学院農学研究科
-
山内 和律
北海道大学農学部
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