ヒト細胞株を使ったがん浸潤阻害物質検索法の開発と茶カテキン類への応用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
(1) 茶成分中のがん細胞浸潤阻害物質を検索するための複合細胞検定系で使用できるヒトがん細胞株の選択を行ったところ,非上皮性繊維腫HT-1080のみが浸潤能をもっていた。高転移性膀胱がん細胞株T-24及び乳がん細胞株MCF-7,肺腺がん細胞株A549,胃がん細胞株MKN-45には浸潤能がなく本検定系にはHT-1080のみが使用できることが明らかになった。<BR>(2) 本がん細胞浸潤阻害物質検定系は,ゼラチンを基底膜とし,その上層にヒト血管内皮細胞株HUV-EC-Cを単層培養し,その上から蛍光標識したHT-1080と検定液を添加して5時間後,下層に浸潤したHT-1080細胞数を蛍光強度により測定し,生理食塩水添加時の浸潤がん細胞数との比較で検討する。<BR>(3) HT-1080は,がん細胞接着阻害物質検定にも使用できることが明らかとなった。<BR>(4) 茶に含有される主要カテキン類のうち,ガレート基をもったエステル型カテキン(−)ーエピカテキンガレートは細胞毒性を示す濃度以下でがん浸潤阻害作用を示した。また,細胞毒性の強い物質検定の際には,生細胞数を同時に計測して,細胞毒性との比較を行う必要があると考えられた。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
-
山口 優一
農林水産省野菜・茶業試験場
-
山本(前田) 万里
農林水産省野菜・茶業試験場
-
長田 和浩
農林水産省野菜・茶業試験場
-
辻 顕光
農林水産省野菜・茶業試験場
-
川原 浩治
農林水産省野菜・茶業試験場
-
山口 優一
農林水産省 野菜・茶業試験場
-
山本(前田) 万里
農林水産省 野菜・茶業試験場
-
辻 顕光
農林水産省 野菜・茶業試験場
関連論文
- トマトジュースの嗜好性と加工法との関係
- オールインワン製茶機の開発(第3報) : 試作機による製茶実験
- 嫌気-好気交互処理による茶葉のγ-アミノ酪酸量の増加
- 嫌気処理した茶葉の茎におけるγ- アミノ酪酸含量
- 茶の品種, 摘採期と製造法によるエピガロカテキン3-O-(3-O-メチル) ガレート含量の変動
- ヒラナス台への接ぎ木がトマトの生育, 収量および果実の糖含量に及ぼす影響
- 茶葉中食物繊維等品質成分の熟度および製茶法による変動
- ヘルパーT細胞のインターロイキン - 4, インターロイキン - 5産生に及ぼす茶葉中のフラボノールの影響
- 茶ポリフェノール類のがん転移抑制効果
- 茶の新しい育種のための機能性研究
- カテコールを内部標備としたカテキン類及びカフェインのHPLC分析
- 茶の体調調節機能
- ヒト細胞株を使ったがん浸潤阻害物質検索法の開発と茶カテキン類への応用
- 高温時の空気湿度と土壌水分がキュウリの葉緑素蛍光発生に及ぼす影響
- 培養環境自動制御システムの開発
- 不定胚利用型大量増殖システム (21世紀農業をめざしての機械化・施設化)
- 培養装置の自動制御システム (バイオナ-サリ-システムの開発)
- 培養装置の開発と培養環境制御による幼植物生育の効率化 (バイオナ-サリ-システムの開発)
- Studies on simple controlled atmosphere storage of fruits and vegetables. Part I. Development of modified air generator and calculation program for analysis of atmosphere.:Part I Development of Modified Air Generator and Calculation Program for Analysis o
- Studies on The Preservation of Shii-take Mushroom (Lentinus edodes(Bark) Sing.) at Producer Farm:Part III Changes in Polyphenoloxidase Activity of Shii-take Mushroom during Modified Atmosphere Packaging Storage and on Exposure to Air