Estrogen投与鶏雛の血清Vitellin産生における感受性の表現方法の簡便化について
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概要
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Estrogenに対する60日齢白色レグホーン雛の肝臓の感受性を表現するために,血清Vitellin産生の程度から,従来回帰式Y=bX+kなる形を採用してきた.しかしながら,血清Vitellin反応の免疫的手法はかなり複雑であるので,これに代わる簡便法を見いだそうと考え,血漿溶液に有機溶媒を添加して生じる沈澱を濁度計を用いて測定する方法を検討した.その結果,2%クェン酸ソーダを含む生理的食塩水0.8mlを入れた注射筒内に血液0.2mlをとり,遠心分離して得た上澄液0.2mlにアセトン0.5mlを加え,25°Cで2時間放置した後,上澄を遠心分離により除去,得られた沈澱に蒸溜水5mlを加え,均等に攪拌してから濁度を測定する方法がもっともすぐれていた.血清Vitellin反応と濁度との相関係数は,estrogen投与開始後,3〜5日以降で雌0.892,雄0.832ときわめて高い値を得た,血清Vite11in反応回帰係数と濁度の回帰係数との相関は,夏季雌0.526,雄0.708,秋季雌0.807,雄0.753と全般的に高い値を示した.いっぽう,血清を超遠心分離して得た上層,中層,下層の三層につき,各層の血清Vitellin反応と濁度との相関係数を算出したところ,上層で0.937と非常に高く,中層で0.466,下層ではわずか0.043であり,このことから血清Vitellin反応と濁度との相関係数が高くない場合のあることが示唆された.しかしながら全般的には,アセ卜ン処理による混濁法が従来の血清Vitellin反応回帰式による感受性の表現方法に代わる一つの有効な方法と考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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