エストロゲン投与雛の血清ビテリン産生能とディスク電気泳動分析における各分画の変動との関係について
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概要
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前報において,血清ビテリン反応の強さはディスク電気泳動分析の結果から,血清ビテリン反応と正の相関を示すβ-リポ蛋白の分画と負の相関を示すα-リポ蛋白の分画により支配されると報じた.本実験は,山本の雛における血清ビテリン産生能力として示した血清ビテリン反応回帰係数(b)および血清のアセトン沈殿によって得られた濁度より算出した回帰係数(b)とディスク電気泳動分析により得られた各画の相対濃度より算出した各分画の回帰係数(b")との関係を追究した.さらに血清ビテリン反応およびアセトン沈殿による濁度の値に影響を及ぼす分画の相対濃度との間に存在する重回帰式を推定した.ディスク電気泳動は3.75%,7.5%の重層ゲルを使用し,アミドブラックおよびズダンブラック染色を行った。その結果,bおよびbとb"の間にβ-リポ蛋白の混在する分画1,Aで正,α-リポ蛋白の混在する分画10,Dで負の有意な相関が認められ,血清ビテリン産生能力はβ-リポ蛋白の増加,α-リポ蛋白の減少が関係することがより一層明らかとなった.また,分画,1,A(X1,X1),分画1,D(X2,X2)の相対濃度を用いて血清ビテリン反応の強さ(Y)および濁度の強さ(Y)を推定した重回帰式は,雌でY=0.077X1-0.130X2+2.816,Y=0.064X1-0.019X2+0.852,Y=1.075X1-1.007X2+46.618,Y=0.700X1-0.247X2+32.222,雄Y=0.020X10.198X2+3.677,Y=0.047X10.029X2+1.705,Y=0.542X10.786X2+37.385,Y=0.645X10.227X2+28.570であった.これらの重回帰式はいずれも実測値と適合を示したが,濁度の場合(Y)の推定式の方がビテリン反応の場合(Y)よりも一層すぐれていた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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