エストロジェン投与雛の血清ビテリン産生能と血漿カルシウム量および血漿アルカリ性ホスファターゼ活性との関係について
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概要
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60日齢鶏雛にエストロジェン(0.4mg/day)を10日間連続投与し,投与期間を通じて血清ビテリン値(濁度法による観察),血漿カルシウム(Ca)濃度ならびに血漿アルカリ性ホスファターゼ(Alp.)活性度の経日的変動を測定し,血清ビテリン産生能(濁度による回帰係数,b)とCa,Alp.の変化との相互関係について検討した.得られた結果は次のようであった.1. エストロジェンの連日投与に伴つて,血漿Caと血清ビテリンは増加していく傾向が見られた.血漿Alp.活性度は投与開始後一時的に高まったがその後下降した.Ca, Alp.の変化には,実験時期の違いに原因すると思われる2つの傾向が観察された.2. 血漿Alp.アイソザイムのF型を有する実験群は,血漿Alp.活性度が高く,血漿Ca濃度が低く,一方S型群はその反対の様相を示した.3. b, Ca, Alp.の各平均値について,系統間の順位が雌雄似かよっていた.これらの結果は系統の特徴としてとらえられるものと思われた.4. bと体重とは負の相関関係を示し,成長率とは正の相関を示した.また,血清ビテリン産生能とAlp.活性度,Ca濃度,Caの回帰係数(ζ)との間にも正の相関が認められた.5. Alp.アイソザイムのF型,S型群ともに,Alp.の平均値とCaの平均値との間,およびCaの平均値とCaの回帰係数(ζ)との間に有意な正の相関が認められた.以上の結果から鶏の血清ビテリン産生能と血漿Ca濃度,Alp.活性度は,個体の生理的機能の一環として互いに密接な関連があるものと考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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