尿素およびキャッサバ含有飼料に対する魚粉またはコーン•グルテンミールの添加が去勢牛の成長,窒素出納におよぼす影響
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概要
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1. 尿素およびキャッサバを含む飼料に,アミノ酸組成の異なる2種類の蛋白質源を補足した場合の去勢牛の成長および窒素(N)出納におよぼす影響を調べた.同時に,血漿中遊離アミノ酸濃度についても測定した.2.成長試験においては,ホルスタイン種去勢子牛9頭(平均初体重130kg)を3群に分け,それぞれに下記の3種類の濃厚飼料を与えた.飼料1(対照);飼料全Nのうち82,4%は尿素に由来し,残りは主としてキャッサバに由来するもの,飼料2;全Nのうち55.1%が尿素に由来し,25.9%は魚粉(FM)から,残りはキャッサバから来するもの,飼料3;全N中54%は尿素から,26.3%はコーン•グルテンミール(CGM)から,残りがキャッサバから由来するもの.3群とも各濃厚飼料とイネわら,および水を3か月間自由摂取させた.3. FMおよびCGM添加飼料給与群の成長は若干早い傾向があったが,しかし対照区との差は有意ではなかった.FM区およびCGM区の血漿中にはロイシンおよびアスパラギン酸の濃度が高く(P<0.05),また,FM区の血漿リジンおよびイソロイシン濃度は地の2区より有意に高かった(P<0.05).4. N出納試験においては,体重約200kgのホルスタイン種去勢牛3頭と,成長試験に用いたのと同じ3種類の飼料を用いて3×3ラテン方格試験を行なった.本試験においては,1日あたり濃厚飼料4.5kg,イネわら600gに制限し,水は自由に与えた.5.CGM区のN取り込みは他の2区より有意に高かった(P<0.05).CGM区の血漿ロイシンおよびプロリン濃度は他の2区より有意に高かった(P<0.05).対照区とFM区の血漿アミノ酸濃度にはほとんど差が認められなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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