流出静脈の早期描出が得られた肝血管筋脂肪腫の4症例
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概要
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症例1は66歳女性.左葉外側区に65 mmの高輝度腫瘤を認めた.ダイナミックCT早期相で淡い高吸収を示し,内部及び辺縁に拡張した血管と考えられる強い線状高吸収を認め,それに連続して左肝静脈が描出された.症例2は33歳女性.S6に35 mmの高輝度腫瘤を認めた.ダイナミックCT早期相で著明な高吸収を呈し,腫瘤と連続した線状高吸収として副肝静脈が描出された.症例3は59歳女性.S2に27 mmの低輝度腫瘤を認めた.ダイナミックCT早期相で淡い高吸収を示し,内部及び辺縁部に拡張した血管と思われる線状高吸収を認め,それに連続して左肝静脈が描出された.症例4は72歳男性.S1に24 mmの内部低輝度領域を伴う高輝度腫瘤を認めた.ダイナミックCT早期相でリング状に造影され,CTHAで腫瘤は強い高吸収を示した.辺縁に腫瘤と連続して下大静脈へ連続する線状高吸収が描出され,副肝静脈と考えられた.4症例とも生検にて肝血管筋脂肪腫(HAML)と診断し外来経過観察中である.流出静脈である肝静脈の早期描出はHAMLの診断に有用である.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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鈴木 直之
静岡県立総合病院 消化器科
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國立 裕之
京都桂病院
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丸野 貴久
静岡県立総合病院消化器内科
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松村 和宜
静岡県立総合病院消化器内科
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吉田 将雄
静岡県立総合病院消化器内科
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上田 樹
静岡県立総合病院消化器内科
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重友 美紀
静岡県立総合病院消化器内科
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木村 勇斗
静岡県立総合病院消化器内科
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黒上 貴史
静岡県立総合病院消化器内科
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白根 尚文
静岡県立総合病院消化器内科
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吉川 俊之
静岡県立総合病院消化器内科
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菊山 正隆
静岡県立総合病院消化器内科
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