音楽聴取による感動の心理学的研究:身体反応の主観的計測に基づいて
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概要
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本研究では,身体反応と音楽聴取時の感動がどのような関係にあるのかを定量的に追究することを目的とした.はじめに,聴取実験での評定項目を選定する目的で質問紙調査を行い,音楽聴取時に頻繁に経験されていた5つの身体反応(「鳥肌が立つ」「胸が締め付けられるような感じがする」「背筋がぞくぞくする」「涙が出る」「興奮する」)を選出した.次いで行った予備実験では,本実験での刺激曲として曲想の異なる2曲を選定した.本実験では,150名の実験参加者が,刺激曲の聴取中に生じた感動と5つの身体反応の強度について評定を行った.その結果,5つの身体反応評定値はいずれも感動評定値と有意に高い相関を示した.よってこれらの身体反応は,すべて音楽聴取時の感動と強く関連することが示唆された.さらにこれら5つの身体反応評定の平均値は,感動評定値とのより高い相関を示し,この傾向は曲想の異なる刺激曲を用いた実験参加者群で一致した.すなわち,これらの身体反応を総合すると音楽聴取時の感動との間に顕著に強い関連性が示された.
- 日本認知心理学会の論文
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