肺指症候群の猫5例の臨床所見
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
肺指症候群と考えられた猫5例の臨床所見について検討を行った。肺原発巣に伴う呼吸器徴候は5例中1例のみで見られ、ほかの4例では呼吸器症状は全くみられなかった。播種転移部位は、主に、指、体表部筋肉、皮膚であった。5例の中央生存期間は60日(12〜125)であり、呼吸器徴候を伴い死亡したものは1例のみであった。これらの臨床所見から、本病態における治療として、肺葉切除は意義が低いことが示唆された。また、転移病変は全身に存在することから、断指をはじめとする外科的治療は残存する指や肢の負重増加により動物の生活の質をさらに低下させる可能性が示唆された。
著者
-
金久保 佳代
Veterinary Teaching Hospital, Azabu University
-
杉山 大樹
Veterinary Teaching Hospital, Azabu University
-
石川 剛司
Veterinary Teaching Hospital, Azabu University
-
斑目 広郎
Veterinary Teaching Hospital, Azabu University
-
茅沼 秀樹
Veterinary Teaching Hospital, Azabu University
-
菅沼 常徳
Veterinary Teaching Hospital, Azabu University
-
信田 卓男
Veterinary Teaching Hospital, Azabu University
-
圓尾 拓也
Veterinary Teaching Hospital, Azabu University
関連論文
- 膵島β細胞癌、消化器型リンパ腫、甲状腺腫瘍を併発した犬の1例
- イヌ興奮性アミノ酸輸送体5のクローニングと初代レンズ上皮細胞での検出
- 犬の鼻腔腫瘍疾患と非腫瘍疾患の鑑別におけるCT画像の有用性について
- イヌの上顎および下顎に発生した高分化型線維肉腫に対する局所療法: 31cases(1998-2007)
- 腰下リンパ節腫大による排便困難に対して恥骨坐骨切除術を実施した犬の1例
- 術後の補助的化学療法として低用量シスプラチン療法を行った犬の悪性腫瘍16例
- イヌの両側性甲状腺癌に対して片側切除を実施した8例
- 犬リンパ腫107例におけるL-アスパラギナーゼとプレドニゾロンの初期導入による反応の検討
- 前立腺癌に対して緩和的尿道ステント術を行った犬の1例
- 抜歯により病期が進行したと考えられるイヌの口腔扁平上皮癌の2例
- 肺指症候群の猫5例の臨床所見
- 犬の骨肉腫に対する低用量化学療法の効果
- 気管腫瘍により呼吸困難を呈した猫に対し内視鏡下部分切除および気管ステント術を行った1例
- Variation and Visualization of the Lymphatic Drainage Routes in Normal Canine Mammary Glands.
- Primary Lung Carcinoma with Paraneoplastic Leukocytosis in a Dog