小児期IgA腎症に対するステロイド療法 : —当科における過去10年間の検討—
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概要
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小児期IgA腎症に対する副腎皮質ステロイド (ス剤) 療法の有用性,適正投与量を検討するために当科におけるス剤療法の現状を後方視的に検討した。過去約10年間に当科で免疫抑制剤を併用せずス剤療法を施行したIgA腎症は27例,24例で平均22カ月後に追跡腎生検を施行した。ス剤を投与しなかった39例を対照群とした。ス剤はプレドニン1mg/kg隔日を3〜12カ月投与し漸減,2年間で中止した。臨床的評価は1日尿蛋白の推移,腎組織の評価はActivity score (AS), Chronicity score (CS), Picture Analyzerによるメサンギウム面積/糸球体面積 (M/G) の変動を検討した。ス剤投与群では非投与群に比べて1日尿蛋白 (0.9±0.7g vs 0.2±0.1g),AS (3.9±1.2 vs 2.3±1.1),CS (4.3±1.4 vs 2.3±1.6) は有意に高値であった (P<0.001)。ス剤投与群は追跡腎生検時には1日尿蛋白 (0.3±0.3g),AS (2.1±0.9) の有意な低下 (P<0.01) を認めた。CS,M/Gは不変であった。平均50カ月後の最終観察時点でス剤投与群はス剤非投与群に比して軽微血尿化例,尿所見消失例の割合に有意差を認めず,腎機能低下は1例であった。以上から比較的低用量の長期プレドニン隔日投与の有用性が示唆された。
- 日本小児腎臓病学会の論文
著者
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田中 完
弘前大学医学部小児科
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和賀 忍
弘前大学医学部小児科
-
貫井 清孝
弘前大学医学部小児科教室
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杉本 和彦
弘前大学 医学部小児科
-
柿崎 良樹
弘前大学医学部小児科
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杉本 和彦
弘前大学医学部小児科
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杉本 和彦
弘前大学医学部 小児科
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貫井 清孝
弘前大学医学部 小児科
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柿崎 良樹
弘前大学医学部 小児科
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田中 完
弘前大学医学部 小児科
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