大腸菌rmf遺伝子のリボゾーム結合部位の特定
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概要
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定常期特異的遺伝子の一つであるrmfはリボゾー厶調節因子(ribosome modulation factor: RMF)をコードしており,RMFは不活性型100Sリボゾームの形成に関与している。rmf mRNAは非常に安定で定常期を通して高レベルで発現しているが,mRNA分子全体が二次構造を形成していると推測される。定常期の大腸菌の生存においてrmfの翻訳がどのように調節されているのかは明らかでない。本研究においてわれわれは,大腸菌rmf mRNAについて翻訳の基本的なcis因子であるリボゾー厶結合部位(ribosome binding site: RBS)の特定を行なった。開始コドンの-2〜-5ntおよび-11〜-14 ntにRBS候補であるGAGG配列が存在する。そこで部位特異的突然変異導入によりプラスミドpMW118にクローン化されたrmfのGAGG配列にGGからAAへの塩基置換を導入した。これらの変異が翻訳開始に影響を及ぼすか否か調べるため,各変異株でrmf mRNAレベルが変化していないことを確認した後,Western法によりRMFを解析した。その結果,開始コドンの-11〜-14 ntのGAGG配列に塩基置換を導入した変異株ではRMFが検出されず,この領域が主要なRBSであることが示唆された。
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