医学研究と医療における倫理委員会の役割 : 米国の例から
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概要
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近年のヒトゲノム解析は医学の分野において様々な変容を迫り,医学研究における倫理的配慮の枠組みが「倫理指針」及び「倫理委員会」の設置という形で確立された。一方,医療技術の進歩は医療現場で予期せぬ様々な倫理的葛藤を生みだし,医療倫理という分野が生まれた。米国では研究計画の倫理性の「審査」を行なう機関内審査委員会(いわゆるIRB)と,医療現場での倫理的葛藤に「助力」する医療倫理委員会が独立して機能している。しかし,その運用にはいずれも問題が残されている。本稿では米国北西部の医学教育と救急医療の中心であるワシントン大学(シアトル市)を例に,年間6,000件の研究計画の審査を行なう体制,また医療倫理の概念と委員会の活動について紹介し,若干の私見を付け加えた。
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