腸管出血性大腸菌O157: H7の病原性発現における酸応答レギュレーターGadEの関与
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概要
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腸管出血性大腸菌ゲノムの約1.4Mbの挿入領域には,病原性に関わる因子として志賀毒素の遺伝子のほか,Locus of Enterocyte Effacement(LEE)が存在する。LEEは3型タンパク質分泌システムをコードしており,この働きにより腸管出血性大腸菌の腸粘膜への定着が確実なものになる。腸管出血性大腸菌はK-12株同様,グルタミン酸依存性酸抵抗(GDAR)システムをもち高い酸抵抗性を示す。このことは本菌が低doseで病原性を表す原因にもなっており,ゆえに酸抵抗性システムは病原性因子の一つと考えられる。さらに近年,腸管出血性大腸菌O157: H7株においてGDARシステムの正の制御因子GadEがLEEの発現を制御することが明らかになった。
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