森林の夜行性鳥類の効率的な調査時刻と録音による調査の可能性
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概要
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北海道から南大東島までの24か所の森林で一晩を通して耳による聞き取りと録音をもちいた夜行性鳥類の調査を実施し,繁殖期の夜行性鳥類の効果的な調査時刻について検討した.日没後および日の出前1時間半での記録率と一晩を通した記録とを比較したところ,ゴイサギの記録率は低いものの,それ以外の種ではこの時間帯だけで高確率で生息状況を把握でき,日の出と日没前後に調査することが夜行性鳥類の生息を把握するのに効率的だということがわかった.しかし,日没後だけではジュウイチとトラツグミの記録率が低く,日の出前だけでは,コノハズクとフクロウの記録率が低く,日没後か日の出前かどちらかだけの調査では夜行性鳥類の生息状況を十分に把握できなかった.また,人の耳による聞き取りと録音による記録を比べたところ,記録率に有意な差のある種はなかった.録音にはデータの再現性,種の判別のつかない声を専門家に識別してもらうことが可能などの利点もあり,夜行性鳥類の調査に録音は効果的といえる.
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