ゲル等電点焦点法によるコムギおよびエギロプス属のエステラーゼの変異に関する研究
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概要
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ゲル等電点焦点法を用いて, 栽培コムギおよびその近縁種の種子エステラーゼ•ザイモグラムを比較分析した. 分析結果の要点は次のとおりである. (1) コムギ属には種内変異の小さい種 (例. T. dicoccum, T. macha) と, 変異の高い種 (例. T. dicoccoides) が存在する. (2) 同一ゲノム構成をもつ野生種と栽培種を比較すると, 栽培化によってザイモグラムが多様化した場合と, 逆に単純化した場合が観察された. (3) コムギ属内の系統発生に関しては, 野生型二粒系コムギのAゲノム親は T. boeoticum であること, チモフェービ系コムギの起原は二粒系コムギの起原とは異なることなどを示唆する結果を得た. (4) 自然および人為合成倍数種のザイモグラムを比較した結果, 人為合成倍数種のザイモグラムは両親のザイモグラムの和に似ること (例. 合成CCCuCu, 合成AABBDD), 自然倍数種のザイモグラムは同一ゲノム構成をもつ合成倍数種のザイモグラムと異なる場合のあること (例. Ae. triuncialis 対合成 CCCuCu) などが明らかになった.
- 日本遺伝学会の論文
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