帯白性および非帯白性コムギの表面ロウ中のn-パラフィンおよびn-オレフィン
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概要
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(1) 帯白性(waxy wheat)および非常白性(nowaxy wheat)の5種のコムギの葉と茎を分けてn-ヘキサンで抽出し,表面ロウを集めた.その含量は品種によってかなり変動があり,葉では0.09%〜0.20%,茎では0.04%〜0.06%の範囲であったが,帯白性系統と非帯白性系統の間に含量上の差異は認められなかった. (2) コムギ類の表面ロウ中のn-パラフィンの構成メンバーは主としてC23〜C33で, C29H60またはC31H64が極大であった.偶数の炭素数のn-パラフィンは,他の植物に比べて非常に少ない. (3) 非帯白性コムギであるCornell Sel. 5075およびABD-14はともにn-オレフィンを多量に含み,その構成メンバーはC21〜C27およびC23〜C27の奇数n-オレフィンで,その中の主成分はC23H46であった.ワックス生成の阻害遺伝子をもつこの両型にのみオレフィンを見出したことは,この遺伝子とオレフィン形成の相関を暗示している. (4) 帯白性コムギと非帯白性コムギとの間で, n-パラフィンの組成に大差がなく,またn-オレフィンは非帯白性のCornell Sel. 5075とABD-14に多量見出されたが,同じく非帯白性でありながら非帯白性S-615には検出されなかったことから, n-パラフィンとかオレフィンの分画が帯白性および非帯白性の発現に直接関係をもっているようにも考えられない.
著者
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中山 充
広島大学理学部化学教室
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林 修一
広島大学理学部化学科
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常脇 恒一郎
京都大学農学部
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西本 静磨
広島大学教育学部
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西本 静磨
広島大学教育学部東雲分校
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林 修一
広島大学理学部
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中山 充
広島大学理学部
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