雑種コムギ育種に関する基礎研究 II : 6コムギの主要量的形質におよぼす異質細胞質の影響
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概要
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異種起原の雄性不稔細胞質を利用して一代雑種コムギを育成する研究が世界各地で盛んに進められているが、それとの関連において、パンコムギの主要量的形質におよぼす3異種細胞質の遺伝的影響を研究した。Aegilops caudata、Ae. ovata、Triticum timopheevi起原の細胞質をもつT.v.e., Salmon、Comp. 44、ABD-13(いずれも6倍性コムギ)の核置換系続と正常系統の出穂期、草丈、分けつ数、乾物重、花粉および種子稔性を調査し、比較した。Ae. ovata細胞質は出穂を約15日遅延させ、草丈を約11cm低くした。T. timopheevi細胞質は乾物重を約20%減少させた。3細胞質ともほとんどすべての系統を完全に雄性不稔にした。異種細胞質のこのような一般的効果のほかに、細胞質と核の間に特異的な相互作用が幾例か観察された。また、Comp. 44はAe. caudata細胞質に対する稔性回復因子を、ABD-13はT. timopheevi細胞質に対する稔性回復因子をもっていることが確認された。
- 日本育種学会の論文
- 1969-12-31
著者
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