超音波ドプラー法による脳機能側性の検討
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概要
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発達障害の客観的評価法の確立を目指した研究の一環として,健常児・者における課題呈示による脳機能の左右差を経頭蓋的超音波ドプラー血流測定法(TCD) により評価するとともに,同法の有用性を検討することを目的として本研究を行った。対象は10歳から28歳の計9名の健常児・者で,エデインパラ利き手テストによる検討で全例右利きであった。TCDを用いてWISC-IIIの絵画完成カードによる課題呈示前後の血流速度と血管抵抗指数を測定し,比較検討を行った。その結果,中大脳動脈血流速度は9名中6名が右側で, 3名が左側でより大きな変化を認め,血管抵抗指数は, 9名中4名が右側で, 1名が左側でより大きな変化を認めた。エデインパラ利き手指数の結果と左中大脳動脈血流速度や血管抵抗指数の左右差との聞に一定の傾向は認められなかった。本研究で用いた課題では,両側の大脳半球機能が同時に活性化されたため,側性に関しての明瞭な結果が得られなかったものと考えられ,今後,より単純な課題の検討が妥当と思われた。
- 岡山大学教育学部の論文
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