健常児・者におけるVictoria版Stroop Testの年齢による変化の検討
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概要
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Victoria版Stroop Testにおける課題達成所要時間の年齢による変化について検討し、併せて各年齢群別標準値を得ることを目的とした。5歳1ヶ月から49歳0ヶ月の健常児・者193名を対象に、黒色で印刷された文字の色を読む(Word Reading:WR)課題、丸型カラーバッチの色名を言う(Color Naming:CN)課題、文字と印刷された色が異なる(Incongruent Color Naming:ICN)課題を行い、ICN課題達成所要時間に対するCN課題達成所要時間の差(以下ICN-CN)と比(以下ICN/CN)について年齢を説明変数とする単回帰分析を行った。その結果、全てにおいて年齢による有意な変化が見られ、成績が最良となる年齢は、WR課題において29.7歳、CN課題において29.0歳、ICN課題において30.2歳、ICN-CNにおいて31.0歳、ICN/CNにおいて34.5歳であることが明らかになった。また、各課題達成所要時間の差異についての一要因の分散分析を行った結果、有意差(F(2,576)=179.312,p<.001)が認められた。多重比較(Turkey HSD)の結果、各課題間に有意差(WR課題とCN課題:p<.01、WR課題とICN課題:p<.001、CN課題とICN課題:p<.001)が認められ、WR課題、CN課題、ICN課題の順に有意な遅延を示した。
- 岡山大学教育学部の論文
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