サイズの異なる寒天ゲルの咀嚼および嚥下特性
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概要
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ミートグラインダーで破砕した破砕ゲル,3。5mm立方体ゲル,15mm立方体ゲルを試料とし,咀嚼後の食片サイズ,食塊のテクスチャー特性値,咽頭部における食塊の移動特性について検討し,あわせて官能評価を行った。破砕ゲルは,5回と30回咀嚼後の食片サイズの累積数は累積指数分布関数にフィットし,少ない咀嚼回数でも食塊の付着性および凝集性は高く,凝集性,飲み込みやすさは高いと評価され,咽頭部における食塊の移動速度は遅かった。3。5mm立方体ゲルでは,咀嚼回数が増加しても食片数が少なく,30回咀嚼で累積指数分布関数にフィットした。食塊の流速スペクトル面積は大きく,30回咀嚼においても他の試料と比べ,まとまりにくいと評価された。また,咀嚼回数の増加に伴う食塊の凝集性の上昇は緩慢であった。15mmゲルでは,食片サイズの累積数は対数正規分布関数および累積指数分布関数にフィットする2層性の破壊過程を示した。少ない咀嚼回数では,付着性および凝集性は低く,また,飲み込みにくいと評価され,咽頭部における食塊の移動速度は速かった。しかし,咀嚼回数の増加に伴い,顕著に食塊の付着性および凝集性は上昇し,咽頭部における食塊の移動速度は低下した。これらの結果から、摂食前の食品サイズについては,小さいものの方が大きいものよりも咀嚼,嚥下しやすいという単純な関係にはなく,今回用いた試料の中で中間のサイズである3。5mmゲルでは,咀嚼の影響を受けにくいため,嚥下時の安全性を確保するためには,多くの咀嚼回数を必要とすることが示唆された。
- 日本食品科学工学会の論文
- 2012-08-00
日本食品科学工学会 | 論文
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