乳脂肪および機能性物質が異なる鉄剤強化粉乳のIn Vitroでの鉄生体利用性評価
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概要
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本研究は粉乳へ各種鉄を強化する際に,乳脂肪含量およびイソマルトオリゴ糖(IMO),フラクトオリゴ糖(FO),ドコサヘキサエン酸(DHA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)などの機能性食品素材が鉄生体利用性に及ぼす影響について検討した。使用した試験液の脂肪含量は0。3%,1。5%,3。5%であり,鉄剤には硫酸第一鉄(FS),塩化第二鉄(FC)および両者を等量混合した鉄剤(MIX)を用いた。鉄生体利用性の評価は酵素(ペプシン,パンクレアチン-胆汁酸塩)処理および透析後の透析性Fe2+(DFe(II)),透析性総鉄(DTFe)および非透析性Fe2+(NDFe(II))を定量することで行った。各鉄剤の場合,FSの生体利用性が最も高く,次いでMIX,FCの順であった。さらに3。5%乳脂肪含量の鉄生体利用性は他の乳脂肪含量の場合より優れていた。機能性食品素材を鉄強化粉乳に添加した場合の鉄生体利用性はEPAの添加でその改善効果が確認された。一方,IMOはあまり効果がないことが認められた。
- 日本食品科学工学会の論文
- 2012-07-00
日本食品科学工学会 | 論文
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